ソヴィエト社会主義連邦における市場経済への移行のための改革に対する技術的支援に係る協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定
ソヴィエト社会主義連邦における市場経済への移行のための改革に対する技術的支援に係る協力に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定
日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、
ソヴィエト社会主義共和国連邦において進められている市場経済への移行のための改革の重要性を認識し、
この改革において人材の育成が有する重要性に留意し、
この改革に対する技術的支援に係る両政府間の協力が両国間の交流において重要な位置を占めていることを認め、
この協力を一層拡大することを希望し、
千九百九十一年四月十八日に署名された日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の千九百九十一年から千九百九十五年までの期間における貿易及び支払に関する協定第四条において貿易経済分野における両国の人材の育成並びに両国の慣行及び法制度の調査に関して両政府ができる限りの便宜を与えることが定められていることに留意して、 次のとおり協定した。
第一条 1 日本国政府及びソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、2の規定に従い、ソヴィエト社会主義共和国連邦における市場経済への移行のための改革に対する技術的支援(以下「技術的支援」という。)に係る両政府間の協力を促進する。
2 日本国政府は、日本国の法令及び予算の許す範囲内で、技術的支援を実施するよう努力する。ソヴィエト社会主義共和国連邦政府は、技術的支援が円滑に実施されるようあらゆる可能な便宜を与える。
第二条 前条に定める協力は、次の分野において行う。
1 経済計画その他の経済運営の基本方針の策定及び推進
2 財政政策及び金融政策の企画立案及び実施
3 産業構造の変革に関する政策その他の産業に関する政策の企画立案及び実施
4 中小企業の育成及び発展のための政策の企画立案及び実施
5 企業の民営化の促進、独占の禁止及び価格の安定を含む健全な市場の確立及び運営のための措置の策定及び実施
6 円滑な流通を確保するための措置の策定及び実施
7 労働関係の調整及び雇用の安定のための措置の策定及び実施
8 企業の生産性向上を促進するための措置の策定及び実施
9 将来両政府間で合意することがあるその他の分野
第三条 第一条に定める協力は、次の態様により行う。
1 政府による専門家及び研究者の派遣及び受入れ
2 公の機関の専門家及び研究者による会議及びシンポジウムの開催
3 公の機関の研究結果その他の情報の交換
4 公の機関間の共同研究
5 将来両政府間で合意することがあるその他の態様
第四条 両政府は、第一条に定める協力に関し、適当な場合には、前条に規定する機関以外の各種団体及び機関の専門家、研究者及び組織の参加を認めることができる。
第五条 両政府は、第一条に定める協力の実施に関し、外交上の経路を通じて随時協議し、また、第三条に定める態様による協力計画について合意する。
第六条 両政府は、適当な場合には、第三条に規定する機関以外の各種団体及び機関並びに個人の間の第二条に掲げる分野における技術的支援に係る協力をできる限り奨励する。
第七条 この協定は、署名の日に効力を生じ、三年間効力を有するものとし、その後においても、いずれか一方の政府がこの協定を終了させる意思を他方の政府に通告した日から六箇月の期間が終了するまで引き続き効力を有する。
以上の証拠として、両政府の代表は、この協定に署名した。
千九百九十一年四月十八日に東京で、ひとしく正文である日本語及びロシア語により本書二通を作成した。
日本国政府のために 中山太郎
ソヴィエト社会主義共和国連邦政府のために カ・エフ・カトゥシェフ