債務救済措置に関する日本国政府とガボン共和国政府との間の二の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府とガボン共和国政府との間の二の交換公文
(日本側書簡)
(訳文)
   書簡をもって啓上いたします。本使は、二千年十二月十四日及び十五日にパリで開催されたガボン共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者とガボン共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
  1 債務繰延方式及び債務支払猶予方式による債務救済措置が、国際協力銀行(以下「銀行」という。)により、日本国において施行されている関係法令に従ってとられることになる。
  2(1) 繰延べの対象となる債務(以下「繰延債務」という。)の総額は、二億七千九百六十二万八千十一円(二七九、六二八、〇一一円)となる。繰延債務は、ガボン共和国政府が銀行に対して負う次の債務から成る。
      (a) 千九百九十年二月二十一日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、二千年九月三十日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表一に掲げられる。)
      (b) 千九百九十五年三月三十日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、二千年九月三十日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表二に掲げられる。)
    (2) (1)にいう総額並びにこの書簡の付表一及び二は、ガボン共和国政府の関係当局及び銀行が行う最終的照合の後に日本国政府及びガボン共和国政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
  3(1) 債務繰延べの条件は、ガボン共和国政府と銀行との間で締結される債務繰延契約(以下「債務繰延契約」という。)であって、なかんずく次の原則を含むものにおいて規定される。
      (a)  繰延債務の各々は、この書簡の附属書に掲げる支払計画に従って二千四年三月三十一日に始まる十八回の半年賦払によって支払われる。
      (b)  繰延債務に対する利子率は、年四・九パーセントとし、二千年十月一日から適用される。
    (2)  債務繰延契約は、5に定める支払の条件についても規定する。
  4(1)  支払猶予の対象となる債務(以下「支払猶予債務」という。)の総額は、四千七十五万二千百七十六円(四〇、七五二、一七六円)となる。支払猶予債務は、ガボン共和国政府が銀行に対して負う次の債務から成る。
      (a)  2(1)(a)にいう債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年六・七五パーセントの率によって算定される。
      (b) 2(1)(b)にいう債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年六・九パーセントの率によって算定される。
      (c)  千九百八十九年三月十七日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年六・七五パーセントの率によって算定される。
    (2) (1)にいう総額は、ガボン共和国政府の関係当局及び銀行が行う最終的照合の後に日本国政府及びガボン共和国政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
  5(1)  支払猶予債務の総額は、直ちに支払われる。
    (2)  支払猶予債務に対する利子率は、年四・九パーセントとし、二千年十月一日から適用される。
  6 1から5までの規定にかかわらず、関係債権諸国政府の代表者が二千年十二月十五日にパリでガボン共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者によって署名された合意議事録を無効であると宣言した場合には、日本国政府は、この書簡の規定が無効であることをガボン共和国政府に対し書面により通告することができる。この書簡に述べられた了解は、そのような通告が日本国政府によってなされた場合には、この書簡の交換の日から無効となる。
   本使は、閣下が前記の了解をガボン共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
   本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二年六月十一日にリーブルヴィルで 
ガボン共和国駐在 日本国特命全権大使 藤原定
ガボン共和国
国務大臣兼外務協力仏語圏大臣 ジャン・ピン閣下

					

					
附属書
    二千四年三月三十一日       二・一九パーセント
    二千四年九月三十日            二・四一パーセント
    二千五年三月三十一日       二・六五パーセント
    二千五年九月三十日            二・九二パーセント
    二千六年三月三十一日       三・二一パーセント
    二千六年九月三十日            三・五三パーセント
    二千七年三月三十一日       三・八八パーセント
    二千七年九月三十日            四・二七パーセント
    二千八年三月三十一日       四・七〇パーセント
    二千八年九月三十日            五・一七パーセント
    二千九年三月三十一日       五・六九パーセント
    二千九年九月三十日            六・二六パーセント
    二千十年三月三十一日       六・八八パーセント
    二千十年九月三十日            七・五七パーセント
    二千十一年三月三十一日      八・三三パーセント
    二千十一年九月三十日           九・一六パーセント
    二千十二年三月三十一日      一〇・〇八パーセント
    二千十二年九月三十日       一一・一〇パーセント
(ガボン側書簡)
(訳文)
    書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
    本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をガボン共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
    本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二年六月十一日にリーブルヴィルで
ガボン共和国
国務大臣兼外務協力仏語圏大臣 ジャン・ピン
ガボン共和国駐在
日本国特命全権大使 藤原定閣下
(商業上の債務についての債務救済措置に関する日本国政府とガボン共和国政府との間の交換公文)
(日本側書簡)
(訳文)
   書簡をもって啓上いたします。本使は、二千年十二月十四日及び十五日にパリで開催されたガボン共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者とガボン共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。 
  1 この取極は、一方においてガボン共和国政府と他方において日本国の居住者である関係債権者(以下「債権者」という。)との間で千九百八十六年七月一日より前に契約され、日本国政府が保険を引き受けた弁済期間が一年を超える商業上の債務の元本及び繰延利子であって、2(1)及び4(1)に掲げるものの総額に適用される。
  2(1) 繰延べの対象となる商業上の債務(以下「繰延商業債務」という。)は、次に掲げる債務から成る。
      (a) 千九百八十九年三月十七日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、二千年九月三十日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子
      (b) 千九百九十五年三月三十日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、二千年九月三十日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子
    (2)  繰延商業債務の総額は、一億四千五百八十六万二千二百四円(一四五、八六二、二〇四円)と見積もられる。その内訳は、次のとおりである。
      (a)  (1)(a)にいう債務の額は、千二百六十九万九千四百八十円(一二、六九九、四八〇円)と見積もられる。
      (b)  (1)(b)にいう債務の額は、一億三千三百十六万二千七百二十四円(一三三、一六二、七二四円)と見積もられる。
    (3) (2)にいう総額は、日本国政府及びガボン共和国政府の関係当局が行う最終的照合の後に両政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
    (4) 繰延商業債務の各々は、この書簡の附属書一に掲げる支払計画(以下「支払計画Ⅰ」という。)に従って二千四年三月三十一日に始まる十八回の半年賦払によって支払われる。
  3(1) ガボン共和国政府は、繰延商業債務の各々について、当該債務が決済されていない限り、(3)に定めるところにより算定される利子を毎年三月三十一日及び九月三十日に債権者に支払う。最初の利子の支払は、二千二年九月三十日に行われる。
    (2)(a)(i) 2(1)(a)にいう債務に対して二千年十月一日からこの書簡の交換の日の前日までの間(両期日を含む。)に適用される利子率は、年六・九パーセントとする。
        (ii) 2(1)(a)にいう債務に対してこの書簡の交換の日から適用される利子率は、年五・四パーセントとする。
      (b)(i) 2(1)(b)にいう債務に対して二千年十月一日からこの書簡の交換の日の前日までの間(両期日を含む。)に適用される利子率は、年七・四パーセントとする。
        (ii) 2(1)(b)にいう債務に対してこの書簡の交換の日から適用される利子率は、年五・四パーセントとする。
    (3)  支払われる利子の額は、未決済の債務の額に当該債務が決済されないままに経過した日数及び一日当たりの利子率を乗じて算定される。一日当たりの利子率は、(2)にいう利子率を三百六十五で除して算定される。前記の算定方法を算式で表したものが、この書簡の附属書二に掲げられる。
    (4) ガボン共和国政府は、支払計画Ⅰ又は(1)に定める利子の支払計画に基づくいずれかの支払が遅延した場合には、未払額から生ずる遅延利子を年五・九パーセントの率によって支払う。
  4(1)  支払猶予の対象となる商業上の債務(以下「支払猶予商業債務」という。)は、次に掲げる債務から成る。
      (a) 2(1)(a)にいう債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年六・九パーセントの率によって算定される。
      (b)  2(1)(b)にいう債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年七・四パーセントの率によって算定される。
      (c)  千九百九十七年六月十八日に日本国政府とガボン共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に対して二千年九月三十日以前に生じた未払の遅延利子。当該利子は、年七・四パーセントの率によって算定される。
    (2)  支払猶予商業債務の総額は、六百六万千四百七十七円(六、〇六一、四七七円)と見積もられる。
    (3)  (2)にいう総額は、日本国政府及びガボン共和国政府の関係当局が行う最終的照合の後に両政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
    (4)  支払猶予商業債務の総額は、直ちに支払われる(以下「支払計画Ⅱ」という。)。
  5(1) ガボン共和国政府は、ガボン共和国中央銀行を通じて、繰延商業債務及び支払猶予商業債務を決済するため支払計画Ⅰ及びⅡ並びに3(1)に定める利子の支払計画に従って行われる支払の額及び日付を日本国政府に通告する。
    (2) ガボン共和国政府は、繰延商業債務及び支払猶予商業債務の総額をそれぞれ支払計画Ⅰ及びⅡに従いガボン共和国中央銀行を通じ関係契約によって指定された通貨により債権者に支払う。
   (3) 日本国政府は、商業上の関係債務が支払計画Ⅰ及びⅡに従って行われる支払により決済されることを容易にするため、日本国において施行されている関係法令の範囲内で可能な措置をとる。
  6  支払われる利子については、ガボン共和国のすべての租税及び課徴金が免除される。
  7 ガボン共和国政府は、商業上の関係債務の決済に伴って生ずる銀行手数料を支払う。
  8 関係契約の条件のうちこの書簡において特に言及されていないものは、関係契約の当事者間で別段の合意がある場合を除くほか、引き続き適用されることが確認される。
  9 ガボン共和国政府は、いずれかの第三国の居住者であって債権を有するものに対し債務救済措置について2(4)又は4(4)にいう条件より有利な条件を与えた場合には、当該第三国の居住者であって債権を有するものに与えられる条件より不利でない条件を債権者に直ちに与える。
  10  1から9までの規定にかかわらず、関係債権諸国政府の代表者が二千年十二月十五日にパリでガボン共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者によって署名された合意議事録を無効であると宣言した場合には、日本国政府は、この書簡の規定が無効であることをガボン共和国政府に対し書面により通告することができる。この書簡に述べられた了解は、そのような通告が日本国政府によってなされた場合には、この書簡の交換の日から無効となる。
   本使は、閣下が前記の了解をガボン共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
   本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二年六月十一日にリーブルヴィルで 
ガボン共和国駐在 日本国特命全権大使 藤原定
ガボン共和国
国務大臣兼外務協力仏語圏大臣 ジャン・ピン閣下
附属書一
    二千四年三月三十一日       二・一九パーセント
    二千四年九月三十日            二・四一パーセント
    二千五年三月三十一日       二・六五パーセント
    二千五年九月三十日            二・九二パーセント
    二千六年三月三十一日       三・二一パーセント
    二千六年九月三十日            三・五三パーセント
    二千七年三月三十一日       三・八八パーセント
    二千七年九月三十日            四・二七パーセント
    二千八年三月三十一日       四・七〇パーセント
    二千八年九月三十日            五・一七パーセント
    二千九年三月三十一日       五・六九パーセント
    二千九年九月三十日            六・二六パーセント
    二千十年三月三十一日       六・八八パーセント
    二千十年九月三十日            七・五七パーセント
    二千十一年三月三十一日      八・三三パーセント
    二千十一年九月三十日           九・一六パーセント
    二千十二年三月三十一日      一〇・〇八パーセント
    二千十二年九月三十日       一一・一〇パーセント
附属書二
繰延商業債務に対する利子の額の算定方法の算式
                                   1
      I = A × D × R ×───                                                           
                                  365
      I:利子の額
      A:未決済の債務の額
      D:債務が決済されないままに経過した日数
      R:年間の利子率
(注)
      (1) 二千二年九月三十日における最初の利子の支払に関しては、Dは、二千年十月一日から二千二年九月二十九日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
      (2) 最初の支払の後に引き続き行われる利子の支払に関しては、Dは、当該支払に先立つ支払の日から当該支払の前日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
(ガボン側書簡)
(訳文)
    書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
    本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をガボン共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
    本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千二年六月十一日にリーブルヴィルで
ガボン共和国
国務大臣兼外務協力仏語圏大臣 ジャン・ピン
ガボン共和国駐在
日本国特命全権大使 藤原定閣下