運転免許試験の一部又は全部の相互免除に関する日本国政府とスペイン政府との間の交換公文
運転免許試験の一部又は全部の相互免除に関する日本国政府とスペイン政府との間の交換公文
(日本側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本使は、相手国の権限のある当局が付与した運転免許を有する者に対して自国の権限のある当局が運転免許を付与する際の手続に関して、日本国政府の代表者とスペイン政府の代表者との間で行われた最近の協議に言及するとともに、次の取極を日本国政府に代わって提案する光栄を有します。
1 いずれの国の権限のある当局も、他方の国の権限のある当局が与えた運転免許を有する者からの運転免許(旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で自動車を運転することを許可するための運転免許及び仮運転免許を除く。)の申請を受けて次のことを行うに際し、自国の法令に従い運転免許試験の一部又は全部を免除することを可能にするため、必要な措置をとる。
(a) 日本国の権限のある当局に関しては、当該者の有するスペインの権限のある当局が与えた運転免許の種類に相当する自国の運転免許の付与
(b) スペインの権限のある当局に関しては、当該者の有する日本国の権限のある当局が与えた運転免許とその運転免許の種類に相当する自国の運転免許の交換
2 いずれの国の権限のある当局も、自国の運転免許を受けることを申請する者が有する他方の国の権限のある当局の運転免許証が真正なものであるかどうかにつき疑義を有する場合には、外交上の経路を通じて、当該他方の国の権限のある当局に対し確認を求めることができる。
3 いずれの政府も、他方の政府の要請に基づき、自国の運転免許証の様式、自国の運転免許と他方の国の運転免許との同等性及び運転免許に係る制度に関する情報を提供する。
4 この取極の規定は、運転免許を受けることを申請する者に対し、それぞれの国の法令に基づいて行政上の手続のために必要とされる書類の提出及び手数料の支払を含む手続を免除するものではない。
5 この取極は、千九百四十九年の道路交通に関する条約に基づくいかなる権利及び義務にも影響を及ぼすものではない。
6 この取極は、それぞれの国において施行されている法令に従って実施される。
7 いずれの政府も、他方の政府に対し、三十日前に文書による予告を与えることにより、この取極を終了させることができる。
本使は、この書簡及びスペイン政府に代わって前記の取極を確認される閣下の返簡が両国間の合意を構成するものとみなし、その合意がそれぞれの政府がこの取極の効力発生のために必要な国内手続を完了したことを確認する外交上の経路を通じた文書による通告を行った日であっていずれか遅い方の日付の日の後三十日目の日に効力を生ずるものとし、また、その合意が効力を生ずる日又はいずれか一方の政府がこの取極の効力発生のための国内手続を完了できない旨を外交上の経路を通じて文書により他方の政府に通告した日の後三十日目の日のいずれか早い方の日付の日までの間、両政府が閣下の返簡の日付の日以降前記の取極の規定を暫定的に実施するものとすることを提案する光栄を有します。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千年一月二十一日にマドリッドで
スペイン駐在 日本国特命全権大使 荒船清彦
スペイン外務大臣 アベル・マトゥーテス・ファン閣下
(スペイン側書簡)
(訳文)
書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本大臣は、前記の取極がスペイン政府にとって受諾し得るものであることをスペイン政府に代わって確認するとともに、閣下の書簡及びこの返簡が両国間の合意を構成するものとみなし、その合意がそれぞれの政府がこの取極の効力発生のために必要な国内手続を完了したことを確認する外交上の経路を通じた文書による通告を行った日であっていずれか遅い方の日付の日の後三十日目の日に効力を生ずるものとし、また、両政府がこの返簡の日付の日以降前記の取極の規定を閣下の書簡に述べられたとおり暫定的に実施するものとすることに同意する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
二千年一月二十一日にマドリッドで
スペイン外務大臣 アベル・マトゥーテス・ファン
スペイン駐在 日本国特命全権大使 荒船清彦閣下