債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
(日本側書簡)
(訳文)
   書簡をもって啓上いたします。本使は、千九百九十八年四月二十三日及び二十四日にパリで開催された象牙海岸共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者と象牙海岸共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
  1 債務繰延方式による債務救済措置が、海外経済協力基金(以下「基金」という。)により、日本国において施行されている関係法令に従ってとられることになる。
  2(1) 繰延べの対象となる債務(以下「繰延債務」という。)の総額は、二十六億八千三百六十九万八千五百三十九円(二、六八三、六九八、五三九円)になる。繰延債務は、象牙海岸共和国政府が基金に対して負う次の債務であってこの書簡の付表に掲げるものから成る。
      (a) 過去に繰り延べられなかった債務に関し、
        (ⅰ) 千九百九十八年三月三十一日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表一に掲げられる。)
        (ⅱ) 千九百九十八年四月一日から千九百九十九年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来した元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表二に掲げられる。)
        (ⅲ) 千九百九十九年四月一日から二千年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来する元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表三に掲げられる。)。ただし、国際通貨基金(以下「IMF」という。)の理事会が、拡大構造調整措置(以下「ESAF」という。)に基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第二年次取極を千九百九十九年七月三十一日(以下「承認の期限Ⅰ」という。)までに承認し、かつ、関係債権諸国が、千九百九十八年四月二十四日にパリで象牙海岸共和国政府の代表者及び関係債権諸国政府の代表者によって署名された合意議事録(以下「合意議事録」という。)に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
        (ⅳ) 二千年四月一日から二千一年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び契約上の利子(それらの内訳は、この書簡の付表四に掲げられる。)。ただし、IMFの理事会が、ESAFに基づく象牙海岸共和国政府とIMFとの間の第三年次取極を二千年七月三十一日(以下「承認の期限Ⅱ」という。)までに承認し、かつ、関係債権諸国が合意議事録に定める条件を象牙海岸共和国政府が遵守したと認める場合に限る。
      (b) 千九百八十九年二月二十八日、千九百九十年十月十九日及び千九百九十二年十一月十三日に日本国政府と象牙海岸共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、
        (ⅰ) 千九百九十八年三月三十一日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表五に掲げられる。)
        (ⅱ) 千九百九十八年四月一日から千九百九十九年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来した元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表六に掲げられる。)
        (ⅲ) 千九百九十九年四月一日から二千年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来する元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表七に掲げられる。)。ただし、(a)(ⅲ)にいう条件が満たされた場合に限る。
        (ⅳ) 二千年四月一日から二千一年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する元本及び繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表八に掲げられる。)。ただし、(a)(ⅳ)にいう条件が満たされた場合に限る。
      (c) 千九百九十五年三月二十七日に日本国政府と象牙海岸共和国政府との間で交換された書簡により行われた取極に従って過去に繰り延べられた債務に関し、
        (ⅰ) 千九百九十八年三月三十一日以前に弁済期限の到来した未払の繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表九に掲げられる。)
        (ⅱ) 千九百九十八年四月一日から千九百九十九年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来した繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表十に掲げられる。)
        (ⅲ) 千九百九十九年四月一日から二千年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来する繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表十一に掲げられる。)。ただし、(a)(ⅲ)にいう条件が満たされた場合に限る。
        (ⅳ) 二千年四月一日から二千一年三月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来する繰延利子(それらの内訳は、この書簡の付表十二に掲げられる。)。ただし、(a)(ⅳ)にいう条件が満たされた場合に限る。
      (d) (a)(ⅰ)、(b)(ⅰ)及び(c)(ⅰ)にいう債務の遅延利子であって千九百九十八年三月三十一日以前に生じたもの(それらの内訳は、この書簡の付表十三に掲げられる。)
     (2) 承認の期限Ⅰ及び承認の期限Ⅱは、関係債権諸国政府の代表者の行う決定に従い日本国政府及び象牙海岸共和国政府の関係当局の同意を得て修正することができる。
    (3) (1)にいう総額及びこの書簡の付表は、象牙海岸共和国政府の関係当局及び基金が行う最終的照合の後に日本国政府及び象牙海岸共和国政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
  3 債務繰延べの条件は、象牙海岸共和国政府と基金との間で締結される債務繰延契約であって、なかんずく次の原則を含むものにおいて規定される。
    (1) 2(1)(a)及び(1)(b)にいう債務の各々は、この書簡の附属書に掲げる支払計画に従って二千十六年四月一日に始まる四十八回の半年賦払によって支払われる。
    (2) 2(1)(c)(ⅰ)にいう債務の各々は、二千一年九月三十日に始まる八回の均等半年賦払によって支払われる。
    (3) 2(1)(c)(ⅱ)、(ⅲ)及び(ⅳ)にいう債務の各々は、二千三年四月一日に始まる二十四回の均等半年賦払によって支払われる。
    (4) 2(1)(d)にいう債務の各々は、千九百九十九年三月三十一日に始まる五回の均等半年賦払によって支払われる。
    (5) 繰延債務に対する利子率は、年一・八パーセントとし、2(1)(a)(ⅰ)、(1)(b)(ⅰ)、(1)(c)(ⅰ)及び(1)(d)にいう債務については、千九百九十八年四月一日から、2(1)(a)(ⅱ)、(1)(a)(ⅲ)、(1)(a)(ⅳ)、(1)(b)(ⅱ)、(1)(b)(ⅲ)、(1)(b)(ⅳ)、(1)(c)(ⅱ)、(1)(b)(ⅲ)及び(1)(c)(ⅳ)にいう債務については、この書簡の付表二、三、四、六、七、八、十、十一及び十二に掲げる各々の弁済期日から適用される。
    (6) 支払われる利子については、象牙海岸共和国のすべての租税及び課徴金が免除される。
  4 象牙海岸共和国政府は、繰延債務の決済に伴って生ずる銀行手数料を支払う。
  5 象牙海岸共和国政府は、いずれかの第三国の居住者である債権を有する者に対し債務救済措置について3(1)、(2)、(3)及び(4)にいう条件により有利な条件を与えた場合には、当該債権を有する者に与えられる条件より不利でない条件を、基金に直ちに与える。
  6 象牙海岸の債務(この取極が対象とする債務を含む。)の再編に関して象牙海岸共和国政府の代表者及び関係債権諸国政府の代表者が新たな結論に到達した場合には、日本国政府と象牙海岸共和国政府との間でこの取極の継続又は修正について討議するための協議が行われる。
   本使は、閣下が前記の了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
   本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十九年六月十八日にアビジャンで 
象牙海岸共和国駐在
日本国特命全権大使 中村實宏
象牙海岸共和国
外務大臣 アマラ・エシイ閣下

					

					

					

					

					

					

					

					

					

					

					

					

					
附属書
  二千十六年四月一日       〇・五三パーセント
  二千十六年十月一日      〇・五六パーセント
  二千十七年四月一日       〇・五九パーセント
  二千十七年十月一日      〇・六二パーセント
  二千十八年四月一日       〇・六五パーセント
  二千十八年十月一日      〇・六八パーセント
  二千十九年四月一日       〇・七一パーセント
  二千十九年十月一日      〇・七五パーセント
  二千二十年四月一日       〇・七九パーセント
  二千二十年十月一日      〇・八三パーセント
  二千二十一年四月一日      〇・八七パーセント
  二千二十一年十月一日     〇・九一パーセント
  二千二十二年四月一日      〇・九六パーセント
  二千二十二年十月一日     一・〇〇パーセント
  二千二十三年四月一日     一・〇五パーセント
  二千二十三年十月一日     一・一一パーセント
  二千二十四年四月一日      一・一六パーセント
  二千二十四年十月一日     一・二二パーセント
  二千二十五年四月一日      一・二八パーセント
  二千二十五年十月一日     一・三四パーセント
  二千二十六年四月一日      一・四一パーセント
  二千二十六年十月一日     一・四八パーセント
  二千二十七年四月一日      一・五六パーセント
  二千二十七年十月一日     一・六三パーセント
  二千二十八年四月一日      一・七二パーセント
  二千二十八年十月一日        一・八〇パーセント
  二千二十九年四月一日      一・八九パーセント
  二千二十九年十月一日        一・九九パーセント
  二千三十年四月一日       二・〇八パーセント
  二千三十年十月一日         二・一九パーセント
  二千三十一年四月一日      二・三〇パーセント
  二千三十一年十月一日     二・四一パーセント
  二千三十二年四月一日      二・五三パーセント
  二千三十二年十月一日        二・六六パーセント
  二千三十三年四月一日      二・七九パーセント
  二千三十三年十月一日        二・九三パーセント
  二千三十四年四月一日      三・〇八パーセント
  二千三十四年十月一日        三・二三パーセント
  二千三十五年四月一日      三・四〇パーセント
  二千三十五年十月一日       三・五七パーセント
  二千三十六年四月一日         三・七四パーセント
  三千三十六年十月一日          三・九三パーセント
  二千三十七年四月一日         四・一三パーセント
  二千三十七年十月一日          四・三三パーセント
  二千三十八年四月一日         四・五五パーセント
  二千三十八年十月一日      四・七八パーセント
  二千三十九年四月一日     五・〇二パーセント
  二千三十九年十月一日      五・二六パーセント
(象牙海岸側書簡)
(訳文)
   書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
   本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
   本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十九年六月十八日にアビジャンで
象牙海岸共和国
外務大臣 アマラ・エシイ
象牙海岸共和国駐在
日本国特命全権大使 中村實宏閣下