債務救済措置に関する日本国政府とギニア共和国政府との間の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府とギニア共和国政府との間の交換公文
(日本側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本使は、千九百九十二年十一月十八日にパリで開催されたギニア共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者とギニア共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、当該交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1(1) この取極は、一方においてギニア共和国政府及びギニア共和国の政府機関と他方において日本国の居住者である関係債権者(以下「債権者」という。)との間で行われた契約に基因し、日本国政府が保険を引き受けた商業上の債務のうち、千九百八十七年十一月五日に日本国政府とギニア共和国政府との間で交換された書簡(以下「従前の書簡」という。)により行われた取極に基づき過去に繰り延べられたものであって、千九百九十二年十二月三十一日以前に弁済期限の到来した未払の元本及び繰延利子(以下「繰延商業債務」という。)の総額に適用される。
(2) 繰延商業債務は、日本円によって契約されたもの及び合衆国ドルによって契約されたものから成る。繰延商業債務の総額は、日本円によって契約されたものについては、二億千六百六十六万六千五百七十七円(二一六、六六六、五七七円)、合衆国ドルによって契約されたものについては、千四百三十五万四千八百七十四合衆国ドル三十八セント(一四、三五四、八七四・三八合衆国ドル)と見積もられる。
(3) (2)にいう総額は、日本国政府及びギニア共和国政府の関係当局が行う最終的照合の後に両政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
2(1) ギニア共和国政府は、ギニア共和国中央銀行を通じて、繰延商業債務を決済するため(4)に掲げる支払計画(以下「支払計画」という。)に従って行われる支払の額及び日付について日本国政府に通告する。
(2) ギニア共和国政府は、繰延商業債務の総額を支払計画に従いギニア共和国中央銀行を通じ関係契約によって指定された通貨により債権者に支払う。
(3) 日本国政府は、商業上の関係債務が支払計画に従って行われる支払により決済されることを容易にするため、日本国において施行されている関係法令の範囲内で可能な措置をとる。
(4) 繰延商業債務の各々は、この書簡の附属書一に掲げる支払計画に従って千九百九十四年一月一日に始まる四十五回の半年賦払によって支払われる。
3(1) ギニア共和国政府は、繰延商業債務を構成する債務の各々について、当該債務が決済されていない限り、(2)に定めるところにより算定される利子を次の計画に従って債権者に支払う。
(a) 最初の利子の支払は、千九百九十四年一月一日に行われる。
(b) 最初の支払の後に引き続き行われる利子の支払は、毎年一月一日及び七月一日に行われる。
(2)(a) 繰延商業債務に対して当初の弁済期日からこの書簡の交換の日の前日までの間(両期日を含む。)に適用される利子率は、日本円によって契約された債務については、年八・〇パーセントとし、合衆国ドルによって契約された債務については、年九・〇パーセントとする。
(b) 繰延商業債務に対してこの書簡の交換の日から適用される利子率は、日本円によって契約された債務については、年一・七二五二パーセントとし、合衆国ドルによって契約された債務については、年二・三二三六パーセントとする。
(c) 支払われる利子の額は、未決済の債務の額に当該債務が決済されないままに経過した日数及び一日当たりの利子率を乗じて算定される。一日当たりの利子率は、(a)及び(b)にいう利子率を三百六十五で除して算定される。前記の算定方法を算式で表したものが、この書簡の附属書二に掲げられる。
(3) ギニア共和国政府は、支払計画((1)に掲げる利子の支払計画を含む。)上の支払が遅延した場合には、未払額から生ずる遅延利子を、日本円によって契約された債務については、年九・〇パーセントの利子率によって、また、合衆国ドルによって契約された債務については、年十・〇パーセントの利子率によって支払う。
(4) 支払われる利子については、ギニア共和国のすべての租税及び課徴金が免除される。
4 ギニア共和国政府は、商業上の関係債務の決済に伴って生ずる銀行手数料を支払う。
5 関係契約の条件のうちこの書簡において特に言及されていないものは、関係契約の当事者間で別段の合意がある場合を除くほか、引き続き適用されることが確認される。
6 ギニア共和国政府は、いずれかの第三国の居住者である債権者に対し債務救済措置について2(4)にいう条件より有利な条件を与えた場合には、当該第三国の居住者である債権者に与えられる条件より不利でない条件を、債権者に直ちに与える。
7 ギニアの債務(この取極が対象とするものを含む。)の再編に関してギニア共和国政府の代表者及び関係債権諸国政府の代表者が新たな結論に達した場合には、日本国政府とギニア共和国政府との間でこの取極の継続又は修正について討議するための協議が行われる。
本使は、閣下が前記の了解をギニア共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十三年十一月十八日にコナクリで
ギニア共和国駐在 日本国特命全権大使 北番恵一
ギニア共和国 計画・大蔵大臣 ソリバ・カバ閣下
附属書一
一九九四年一月一日に一・七四パーセント
一九九四年七月一日に〇・九四パーセント
一九九五年一月一日に〇・九八パーセント
一九九五月七月一日に一・〇二パーセント
一九九六年一月一日に一・〇七パーセント
一九九六年七月一日に一・一一パーセント
一九九七年一月一日に一・一六パーセント
一九九七年七月一日に一・二一パーセント
一九九八年一月一日に一・二六パーセント
一九九八年七月一日に一・三一パーセント
一九九九年一月一日に一・三六パーセント
一九九九年七月一日に一・四一パーセント
二〇〇〇年一月一日に一・四七パーセント
二〇〇〇年七月一日に一・五二パーセント
二〇〇一年一月一日に一・五八パーセント
二〇〇一年七月一日に一・六四パーセント
二〇〇二年一月一日に一・七〇パーセント
二〇〇二年七月一日に一・七六パーセント
二〇〇三年一月一日に一・八二パーセント
二〇〇三年七月一日に一・八八パーセント
二〇〇四年一月一日に一・九五パーセント
二〇〇四年七月一日に二・〇一パーセント
二〇〇五年一月一日に二・〇八パーセント
二〇〇五年七月一日に二・一五パーセント
二〇〇六年一月一日に二・二二パーセント
二〇〇六年七月一日に二・二九パーセント
二〇〇七年一月一日に二・三六パーセント
二〇〇七年七月一日に二・四四パーセント
二〇〇八年一月一日に二・五一パーセント
二〇〇八年七月一日に二・五九パーセント
二〇〇九年一月一日に二・六七パーセント
二〇〇九年七月一日に二・七五パーセント
二〇一〇年一月一日に二・八四パーセント
二〇一〇年七月一日に二・九二パーセント
二〇一一年一月一日に三・〇〇パーセント
二〇一一年七月一日に三・一〇パーセント
二〇一二年一月一日に三・一九パーセント
二〇一二年七月一日に三・二八パーセント
二〇一三年一月一日に三・三七パーセント
二〇一三年七月一日に三・四七パーセント
二〇一四年一月一日に三・五七パーセント
二〇一四年七月一日に三・六七パーセント
二〇一五年一月一日に三・七七パーセント
二〇一五年七月一日に三・八七パーセント
二〇一六年一月一日に三・九九パーセント
附属書二
利子の額の算定方法の算式
I = A × D × R × 1/365
I: 利子の額
A: 未決済の債務の額
D: 債務が決済されないままに経過した日数
R: 年間の利子率
(注)
(1) 3(1)(a)に基づく千九百九十四年一月一日における最初の利子の支払については、Dは、従前の書簡に定める弁済期日から千九百九十三年十二月三十一日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
(2) 最初の支払の後に引き続き行われる利子の支払については、Dは、当該支払に先立つ支払の日から当該支払の前日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
(ギニア側書簡)
書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をギニア共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十三年十一月十八日にコナクリで
ギニア共和国 計画・大蔵大臣 ソリバ・カバ
ギニア共和国駐在 日本国特命全権大使 北番恵一閣下