債務救済措置に関する日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間の二の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間の二の交換公文
 (海外経済協力基金関係の債務救済措置に関する日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間の交換公文)
(日本側書簡)
  書簡をもって啓上いたします。本使は、千九百八十八年十月二十八日にパリで開催されたマダガスカル民主共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議の結論に基づいて日本国政府の代表者とマダガスカル民主共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1 債務繰延方式による債務救済措置が、海外経済協力基金(以下「基金」という。)により、日本国において施行されている関係法令に従ってとられることになる。
2(1) 繰り延べられる債務(以下「繰延債務」という。)の総額は、二十三億三千百十一万千七百三十円(二、三三一、一一一、七三◯円)になる。この総額は、マダガスカル民主共和国政府が基金に対して負う次の債務から成り、その内訳は、この書簡の付表に掲げられる。
(i) 過去に繰り延べられなかった債務で、千九百八十八年四月一日から千九百九十年五月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したもの。その額は、十五億四千三百三十四万千六百二十六円(一、五四三、三四一、六二六円)になる。
(ii) 過去に繰り延べられた債務(千九百八十六年九月五日及び千九百八十八年六月二十七日に日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間で交換された書簡により行われた債務救済措置に関する取極の適用を受けるものを除く。)で、千九百八十八年四月一日から千九百九十年五月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したもの。その額は、七億八千七百七十七万百四円(七八七、七七◯、一◯四円)になる。
(2) (1)にいう総額及びこの書簡の付表は、マダガスカル民主共和国政府の関係当局及び基金が行う最終的照合の後に日本国政府及びマダガスカル民主共和国政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
3 債務繰延べの条件は、マダガスカル民主共和国政府と基金との間で締結される債務繰延契約であって、なかんずく次の原則を含むことになるものによって規定される。
(1) 2(1)にいう債務は、二千三年八月十五日に始まる二十二回の均等半年賦払によって支払われる。
(2) 繰延債務に対しこの書簡の付表に掲げる弁済期日から適用される利子率は、年三・七五パーセントとする。
 本使は、閣下が、前記の了解をマダガスカル民主共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十年七月十日にアンタナナリヴォで
 マダガスカル民主共和国駐在
日本国特命全権大使 原島秀毅
 マダガスカル民主共和国
外務大臣 ジャン・ベマナンジャラ閣下

					

					
(マダガスカル側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をマダガスカル民主共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十年七月十日にアンタナナリヴォで
 外務大臣に代わる
マダガスカル民主共和国
外務次官 モーリス・ラマロザカ
 マダガスカル民主共和国駐在
日本国特命全権大使 原島秀毅閣下
 (商業上の債務について債務救済措置に関する日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間の交換公文)
(日本側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本使は、千九百八十八年十月二十八日にパリで開催されたマダガスカル民主共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議の結論に基づいて日本国政府の代表者とマダガスカル民主共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、前記の交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1(1) この取極は、一方においてマダガスカル民主共和国の居住者である関係債務者(以下「債務者」という。)と他方において日本国の居住者である関係債権者(以下「債権者」という。)との間で行われた契約に基因し、日本国政府が保険を引き受けた次の商業上の債務の元本及び利子(以下「繰延商業債務」という。)の総額に適用される。
(i) 過去に繰り延べられなかった債務で、債務者と債権者との間で千九百八十三年七月一日より前に行われた契約に基因し、弁済期間が一年を超え、千九百八十八年四月一日から千九百九十年五月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したもの
(ii) 過去に繰り延べられた債務(千九百八十六年九月五日及び千九百八十八年六月二十七日に日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間で交換された書簡により行われた債務救済措置に関する取極の適用を受けるものを除く。)で、千九百八十八年四月一日から千九百九十年五月三十一日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したもの
(2) 繰延商業債務の総額は、十六億八千九百十七万七千二百九十八円(一、六八九、一七七、二九八円)と見積もられる。
(i) 1(1)(i)にいう債務の額は、一億八千五百三十九万三百五十円(一八五、三九◯、三五◯円)と見積もられる。
(ii) 1(1)(ii)にいう債務の額は、十五億三百七十八万六千九百四十八円(一、五◯三、七八六、九四八円)と見積もられる。
(3) (2)にいう総額は、日本国政府及びマダガスカル民主共和国政府の関係当局が行う最終的照合の後に両政府の関係当局間の合意により修正されることがある。
2(1) マダガスカル民主共和国政府は、商業債務の決済のため(2)に掲げる支払計画(以下「支払計画」という。)に従って行われる支払の額及び支払日を日本国政府に通告する。
(2) 1(1)にいう債務は、千九百九十七年八月十五日に始まる十二回の均等半年賦払によって支払われる。
(3) マダガスカル民主共和国政府は、繰延商業債務を支払計画に従いマダガスカル民主共和国中央銀行を通じ関係契約によって指定された通貨により債権者に支払い、また、債務者が支払うことを確保する。
(4) 日本国政府は、商業上の関係債務が支払計画に従って行われる支払により決済されることを容易にするため、日本国において施行されている関係法令の範囲内で可能な措置をとる。
3(1) マダガスカル民主共和国政府は、繰延商業債務の各々について、当該債務が決済されていない限り、(2)に定めるところにより算定される利子を毎年二月十五日及び八月十五日に債権者に支払う。最初の利子の支払は、千九百九十一年二月十五日に行われる。
(2)(i) 繰延商業債務に対する支払計画上の利子率は、年四パーセントとする。
(ii) 支払われる利子の額は、未決済の債務の額に当該債務が決済されないままに経過した日数及び一日当たりの利子率を乗じて算定される。一日当たりの利子率は、(i)にいう利子率を三百六十五で除して算定される。前記の算定方法を算式で表したものが、この書簡の付表に掲げられる。
(3) 支払計画上の弁済期日から支払が遅延している関係債務については、支払計画上の弁済期日から当該債務の決済日までの期間につき、(2)(i)に定める利子率に年◯・五パーセントを上乗せした利子率が適用される。
(4) 支払われる利子については、マダガスカル民主共和国におけるすべての租税及び課徴金が免除される。
4 マダガスカル民主共和国政府は、商業上の関係債務の決済に伴って生ずる銀行手数料を支払う。
5 債務者が支払計画に従って商業上の関係債務を決済するためマダガスカル民主共和国において必要とされる措置をとらなかった場合には、マダガスカル民主共和国政府は、当該債務が債務者と債権者との間で当初の関係契約に従って決済されることを、マダガスカル民主共和国政府において施行されている関係法令の範囲内で容易にする。マダガスカル民主共和国政府は、また、当該債務の決済のため、関係契約によって指定された通貨による送金の自由を保証する。
6 関係契約の条件のうちこの書簡において特に言及されていないものは、関係契約の当事者間で別段の合意がある場合を除くほか、引き続き適用されることが確認される。
7 マダガスカル民主共和国政府は、いずれかの第三国の居住者である債権者に対し債務救済措置について2(2)にいう条件より有利な条件を与えた場合には、当該第三国の居住者に与えられる条件より不利でない条件を、債権者に直ちに与える。
 本使は、閣下が、前記の了解をマダガスカル民主共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十年七月十日にアンタナナリヴォで
 マダガスカル民主共和国駐在
日本国特命全権大使 原島秀毅
 マダガスカル民主共和国
外務大臣 ジャン・ベマナンジャラ閣下
付表
 利子の額の算定方法の算式
 I = A × D × R × 1/365
 I:利子の額
 A:未決済の債務の額
 D:債務が決済されないままに経過した日数
 R:年間の利子率
(注)
 (1)千九百九十一年二月十五日における最初の利子の支払については、Dは、当初の弁済期日又は日本国政府とマダガスカル民主共和国政府との間の交換公文により行われた債務救済措置に関する取極にいう弁済期日から千九百九十一年二月十四日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
 (2)最初の支払の後に引き続き行われる利子の支払については、Dは、当該支払に先立つ支払の日から当該支払の前日までの間(両期日を含む。)の日数に等しい。
(マダガスカル側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解をマダガスカル民主共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに重ねて閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十年七月十日にアンタナナリヴォで
 外務大臣に代わる
マダガスカル民主共和国
外務次官 モーリス・ラマロザカ
 マダガスカル民主共和国駐在
日本国特命全権大使 原島秀毅閣下