債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
債務救済措置に関する日本国政府と象牙海岸共和国政府との間の交換公文
(日本側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本使は、千九百八十九年十二月十七日及び十八日にパリで開催された象牙海岸共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間の協議において到達した結論に基づき日本国政府の代表者と象牙海岸共和国政府の代表者との間で行われた最近の交渉に言及する光栄を有します。本使は、更に、当該交渉において到達した次の了解を確認する光栄を有します。
1 債務繰延方式による債務救済措置が、海外経済協力基金(以下「基金」という。)により、日本国の関係法令に従ってとられることになる。
2(1) 繰延べの対象となる債務(以下「繰延債務」という。)の総額は、七億四千二百七十三万七千五百九十三円(七四二、七三七、五九三円)になる。繰延債務は、象牙海岸共和国政府が基金に対して負う債務で千九百九十年一月一日から千九百九十一年四月三十日までの間(両期日を含む。)に弁済期限の到来したか又は到来するものから成り、その内訳は、この書簡の付表に掲げられる。
(2) (1)にいう総額及びこの書簡の付表は、象牙海岸共和国政府の権限のある当局及び基金が行う最終的照合の後に日本国政府及び象牙海岸共和国政府の権限のある当局間の合意により修正されることがある。
3 債務繰延べの条件は、象牙海岸共和国政府と基金との間で締結される債務繰延契約(以下「債務繰延契約」という。)であって、なかんずく次の原則を含むものにおいて規定される。
(1) 繰延債務を構成する債務の各々は、千九百九十九年二月二十八日に始まり二千四年八月三十一日に終わる十二回の均等半年賦払により支払われる。
(2) 繰延債務に対して適用される利子率は、年四・二五パーセントとする。
(3) 4の規定に従ってこの取極が終了する場合には、基金は、債務繰延契約の終了を通告することができる。
4 象牙海岸の債務(この取極が対象とするものを含む。)の再編に関して象牙海岸共和国政府の代表者と関係債権諸国政府の代表者との間で新たな結論に到達した場合には、いずれか一方の政府は、他方の政府に対し書面によりこの取極の終了を通告することができる。
 本使は、閣下が、前記の了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認されれば幸いであります。
 本使は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
 千九百九十年十月十九日にアビジャンで
        象牙海岸共和国駐在
                 日本国特命全権大使 八木真幸
 象牙海岸共和国
          経済・大蔵大臣 カブラン・D・ダンカン閣下
付表
(象牙海岸側書簡)
 書簡をもって啓上いたします。本大臣は、本日付けの閣下の次の書簡を受領したことを確認する光栄を有します。
(日本側書簡)
 本大臣は、更に、閣下の書簡に述べられた了解を象牙海岸共和国政府に代わって確認する光栄を有します。
 本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
  千九百九十年十月十九日にアビジャンで
        象牙海岸共和国
                 経済・大蔵大臣 カブラン・D・ダンカン
 象牙海岸共和国駐在
          日本国特命全権大使 八木真幸閣下