G8北海道洞爺湖サミット7月7日の概要

平成20年7月7日

  1. 日程・場所
    34回目を迎えたサミット(主要国首脳会議)は、7月7日(月曜日)~9日(水曜日)の日程で、我が国の主催により北海道洞爺湖にて開催中(我が国がサミットを主催するのは、平成12年の九州・沖縄サミット以来8年ぶり。)。
    7日は、アフリカ諸国(参考)とのワーキング・ランチ及びワーキング・セッションが開催され、以下の議題について議論が行われた。
    (1)TICAD Ⅳ
    (2)グローバルな課題(食料価格高騰、石油価格高騰、環境問題)
    (3)ミレニアム開発目標
    (4)ジンバブエ問題

  2. 主な論点
    7日は、「TICAD Ⅳ」、「グローバルな課題」、「ミレニアム開発目標」を議論したのに加え、「ジンバブエ情勢」についても取り上げられた。

    (1)3年前のロンドンでのテロ事件

     冒頭、総理の提唱により、3年前の7月7日で発生したロンドンでのテロ事件の犠牲者に黙祷を捧げた。

    (2)TICAD Ⅳ

    (イ)冒頭総理より、本年5月に横浜で開催された第4回アフリカ開発会議(TICAD Ⅳ)の成果について概ね以下の通り報告した。

    • TICAD Ⅳでは、成長の加速化、「人間の安全保障」の確立、環境・気候変動問題への対処の3主要テーマにつき、オーナーシップとパートナーシップの基本的精神に基づき議論が行われた。
    • 我が国は、アフリカ向けODAの2012年までの倍増や、アフリカ向け民間直接投資の倍増につながるような支援を含む新しいイニシアティブを表明した。また、こうしたイニシアティブを確実にフォローアップしていくことで意見の一致を見た。
    • 我が国の支援についても、他の地域や分野への支援も合わせ充実させつつ、実施していきたい。

    (ロ)アフリカ側からは、TICAD Ⅳは大きな成功であったとして、特に日本の対アフリカODA倍増、インフラ整備等のイニシアティブが評価された。

    (3)グローバルな課題

    (イ)総理より、原油価格高騰、食料価格高騰及び気候変動について問題提起した。また、気候投資基金の設立を紹介した。
    (ロ)食料価格高騰に関し、アフリカが食料自給を実現できるように、技術移転、種籾、肥料等の提供により農業生産を支援してほしいとの要請があった。G8側からも各種対策・支援策の説明があった。
    (ハ)原油価格の高騰に関し、アフリカ側よりその深刻な影響への懸念が繰り返し表明された。また、原油価格の高騰により影響を受ける国への支援要請もあった。
    (ニ)環境問題に関しては、特に適応との関係での支援が要請された。新しいエネルギーにアクセスできるよう、クールアースパートナーシップ等を通じた支援への期待が表明された。
    (ホ)また、持続的成長実現のための貿易・投資の重要性が強調され、その文脈でTICAD Ⅳのイニシアティブへの評価が表明された。ドーハ・ラウンド交渉成功による貿易促進を強調する意見もあった。

    (4)ミレニアム開発目標(MDGs)
     アフリカ諸国より、これまでG8で様々なコミットメントがなされたが、その実施についてモニタリングが十分に行われていないとの指摘があった。G8側からも、フォローアップの重要性に同意する意見があり、具体的な方法について意見交換が行われた。

    (5)ジンバブエ 

    (イ)G8側は、ジンバブエの大統領選挙に関し、野党候補が離脱したこともあり、2回目の決戦投票が民主的に行われなかったとして、ムガベ大統領に正当性が認められないと強い立場を表明。一部首脳は、制裁を強化し、問題の早期の解決を求めるべきと主張。
    (ロ)アフリカ側からは、シャルムエルシェイクのAU首脳会議決議や、南部アフリカ開発共同体(SADC)による調停努力などアフリカ側の取り組みについて説明。ジンバブエに圧力をかけて政治体制を変更させれば、国内の大きな対立を惹起しかねないとして懸念が表明された。