■文書・資料
北海道洞爺湖サミットにおける福田総理の議長采配と各国首脳からの発言
1.福田総理の議長采配
福田総理は、G8に加えアフリカ首脳を招いて行った7月7日(月)のワーキング・ランチから、7月9日(水)まで、3日間で延べ約14時間を越える長きにわたり、G8議長として議事を采配。その間、疲れた表情を見せることなく、議論が錯綜した場合でも、終始、非常に沈着冷静かつ安定した議長運営。
招待された22カ国の首脳・様々な国際機関の長を含む出席者に対し、総理は常に気を配り、ときにユーモアを交え、また会合の冒頭には英語で各国首脳に話しかけ場を和ませる場面も。総理の公平かつ安定した議事進行に対しては、サミットにおける成果等とともに、下記のとおり、各国首脳から評価の言葉を得た。
2.各国首脳からの今次サミットに関する発言は以下のとおり。
G8
● アメリカ : ブッシュ大統領
「素晴らしい会合であった。成功おめでとう。(Thank you for the wonderful meeting. Congratulations.)」(9日のワーキング・ランチの最後に、ブッシュ大統領より福田総理に対し、ランチの席上で最後に発言し、各国首脳の拍手に包まれてランチが終了した。)
「とても生産的な会合であった。(I would call them very productive.)(中略)日本での滞在を大いに楽しむことができた。素晴らしいおもてなしに今一度福田総理に感謝したい。」(9日のブッシュ大統領の記者会見での発言)
● ロシア : メドヴェージェフ大統領
「まず、今回のG8サミットの素晴らしいアレンジに、素晴らしい会場で非常に快適な環境で仕事が出来ることに感謝したい。霧がかかっているが、作業は順調に進んでいる。(取材のカメラが退出後)もう取材のカメラはいないが、ヤスオに言いたいのは、今回のサミットは素晴らしくアレンジされているということである。G8の間では、激しい議論もあったが、議長として巧みに運営してその役割をよく果たされている。」(8日の日露首脳会談で、メドヴェージェフ大統領より福田総理に対して)
「まず、日本の方々に対し、今次サミット会合のすばらしく周到な準備に、また、大変に成功したサミットにおける議事采配に感謝申し上げる。これらは、私の意見では、ここ北海道におけるサミットと交渉の結果に大きく貢献した。冒頭に、私としては、今次サミットの成果は大変満足の行くものであり、とてもよいものであったとの評価を申し上げておきたい。(中略) 私の同僚と同様、私はここで大変に居心地よく仕事をすることができた。日本の綿密さと時間的正確さのおかげである。この点で、私は効率的な仕事のための必要な条件を与えていただいた。すばらしい準備を行われた日本に感謝を申し上げたい。」(9日、サミット後のメドヴェージェフ大統領の記者会見)
● ドイツ : メルケル首相
「北海道洞爺湖サミットの成果に満足している。主要先進国は気候に害のある温室効果ガスを2050年までに半減させたい。」
「昨年のサミットの成果に照らせば、我々は再び大きな成果を達成した。」
(10日付の独首相府ホームページにおけるプレスリリース)
● カナダ : ハーパー首相
「自分にとって初めての訪日である。北海道という美しい場所を訪問でき、嬉しく思っている。(中略)シェルパから聞いているが、G8サミットの調整はうまくいっているようであり、満足している。」(6日の日加首脳会談にて、ハーパー首相より福田総理に対して)
● イギリス : ブラウン首相
「早朝の到着ではあったが、日本側にとても温かく歓迎していただいた。日本の手配は非常によく行き届いており、今後3日間の会議の成功を期待している。訪日は毎回楽しみにさせていただいている。今回の総理のおもてなしに感謝申し上げたい。」(7日午前の日英首脳会談でブラウン首相より福田総理に対して)
「(ブラウン)首相は、特に気候変動、開発及び貿易分野において進展が達成されたとして日本でのG8サミットを讃えた。」(9日付の英首相官邸ホームページにおける記者会見の概要。見出しは、「首相、独特なサミット(unique summit)での進展を讃える」)
● イタリア : ベルルスコーニ首相
「日本は今回が初めてであるが、感激している。これまで訪日予定が過去3回あったがいずれも実現しなかった。(中略)日本は、その高い技術力によって世界の様々な問題の解決に貢献し得ると思っている。人道面に於いても日本は有益な貢献を行っており、日本は多くの点で優れた貢献を行っている。」
(8日の日伊首脳会談で、ベルルスコーニ首相より福田総理に対して)
「(記者の)皆さんも、福田総理の礼儀正しさ、(頭脳の)柔軟性、綿密さを評価したことと思う。」(10日付伊コリエーレ・デッラ・セーラ紙に掲載された、ベルルスコーニ伊首相の福田総理評)
● EC : バローゾ委員長
「私はこのサミットで重要な成果に合意できたことに大変喜んでいる。国際社会において鍵となる課題について、意欲的な解決に向けて、洞爺湖サミットは世界の主要経済によるリーダーシップと決断力を示すことができた。」(サミット後のバローゾ委員長の記者会見での発言)
アウトリーチ国
●アルジェリア : ブーテフリカ大統領
「(福田総理より、洞爺湖に霧がかかっていて景色が見えず申し訳ないと述べたのに対し)いや、この場所は非常に気に入っている。神秘的である。」
「(議長としての)総理の態度には、アジア的な静謐を感じた。」
(7日の日アルジェリア首脳会談で、ブーテフリカ大統領より福田総理に対して)
● インド : シン首相
「最高レベルの成功をしたサミットの議長を務められた福田総理にお祝いを申し上げる。これまでのサミットには4回出席しているが、今回が最も生産的なサミットであった。また、これほどまでに『参加した』という実感を与えていただいたことはこれまでになかったことである。アウトリーチ5か国としては、今回、本当の意味でサミットに参加することができた。福田総理をはじめ日本政府の関係者に感謝する。」
「今回のサミットは福田総理のリーダーシップにより大きな成功を収めた。すばらしいおもてなしに心から感謝する。」
(9日の日印首脳会談で、シン首相より福田総理に対して)
● インドネシア : ユドヨノ大統領
「日本がサミットを開催され、成功を収められたことに祝意を表する。(中略)今次サミットに招請いただいた上、先ほどのMEMにおいて総理より発言の機会を与えられたことは誠に光栄であり、深く感謝申し上げる。」(9日の日インドネシア首脳会談で、ユドヨノ大統領より福田総理に対して)
● オーストラリア : ラッド首相
「今次サミットを主催された福田総理にお祝いを申し上げる。これら(主要議題)が今後6、12、18ヶ月の間に取り組むべき課題に取り組む上で必要な協力の足掛かりとなるものである」(9日のサミット後のラッド首相の記者会見での発言)
● メキシコ : カルデロン大統領
「今回のサミットは近年行われたサミットの中でも最も成果があがった会合である。議長としての総理の指導力に感謝する。」(9日の日メキシコ首脳会談で、カルデロン大統領より福田総理に対して)
(了)