世界の食料安全保障に関するG8首脳声明
(骨子)

  • 世界的な食料価格の急騰がもたらす多面的で構造的な危機に取り組むためのコミットメントを新たにする。あらゆる可能な対策をとる決意であり、本年1月以降、合計100億米ドルの支援にコミット。
  • 包括的かつ一貫した対応を一致団結してとる必要。FAOハイレベル会合、TICADIV等の成果を歓迎し、国連及びブレトン・ウッズ機関の指導力を賞賛。途上国政府、民間部門、市民社会、ドナー及び国際機関を含む世界的パートナーシップを構築すべく国際社会と協力。
  • 短期的には、最も脆弱な人々の緊急ニーズに取り組む。他のドナーの貢献を歓迎するとともに、更なるコミットメントを呼びかけ。
  • 食料安全保障の確保のためには、堅固な世界市場及び貿易システムが必要。
    • 輸出規制を撤廃するとともに、状況を長引かせ、悪化させ、人道目的での食品購入を妨げているこうした貿易行為に対するより厳しい規律の導入を目的としたWTOでの交渉を加速化することが必須。
    • 食料価格の不安定性を最小にし、将来の危機を予防することを目指し、関連機関による農産物・食料市場の機能の監視を引き続き支援。
    • 十分な食料備蓄を有する国々に対し、大幅な価格上昇の際にその一部を食糧難の国々のために提供するよう呼びかけ。また、人道目的の国際的仮想備蓄システム構築の是非を含め、備蓄管理の調整されたアプローチにつき検討。
  • 中長期的に幅広い対策が必要との認識の下、我々は以下の行動をとる。
    • 農業分野の援助と投資の全体的な減少を反転させ、この分野の途上国のイニシアティブに対する支援を大幅に増加。
    • 包括的アフリカ農業開発計画(CAADP)の実施を支援し、その基準に適うアフリカ諸国での主要食用作物の生産量を5~10年で倍増するとの目標に向けて取り組む。
    • 農業関連の研究開発、技術普及、科学者・専門家訓練を促進。
    • バイオテクノロジーにより開発された種子の品種による貢献等につき科学的リスク分析を促進。
    • インフラ改善(灌漑、輸送、サプライ・チェーン、貯蔵・流通システム、品質管理等)を支援。
    • 気候変動への適応等のため、途上国の開発戦略を支援。
    • バイオ燃料の持続可能な生産・使用のための政策を食料安全保障と両立するものとし、非食用植物や非可食バイオマスから生産される第二世代バイオ燃料の開発・商業化を加速。
  • G8のコミットメントの実施をモニターし、世界的パートナーシップの実現に貢献するためにG8専門家グループを設置。
  • G8農業大臣による会合の開催を要請。
  • 来年のサミットで進捗を確認。