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G8ハイテク犯罪対策政府・産業界合同会合
(概要と評価)2000年5月17日
1.会合の概要5月15-17日、パリにおいて、G8各国の政府関係者及び産業界代表者等が集まり、G8ハイテク犯罪対策政府・産業界合同会合が開催された。本年のG8議長国である我が国は、開催地国である仏と共に共同議長を務めた(共同議長:小倉和夫駐仏大使及びピエール・シャラス仏組織犯罪・腐敗対策担当大使)。我が国からは、産業界よりニフティーをはじめ16の企業・団体※から20名程度、政府側より兼元警察庁国際部長、天野国際社会協力部審議官、渡邊法務省官房審議官ほか関係省庁の関係者が出席した。
※我が方からの出席企業・業界団体(順不同)
- ニフティ(株)、日本電信電話(株)、KDD(株)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモ、(株)NTTデータ、日本テレコム(株)、(社)テレコムサービス協会、電子ネットワーク協議会、日本電気(株)、三菱電機株、ナカヨ通信機(株)、日本ユニシス(株)、(株)三菱総合研究所、富士通(株)、(株)東芝
2.会合の成果
(1)今次会合では、インターネット上の犯罪(特にインターネット犯罪者の探知及び特定を重点的に)をテーマとし、具体的にはハイテク犯罪に関する産業界・政府側共通の課題及びその課題の解決手段について議論された。
(2)会議終了後G8(政府側)共同プレスリリースが発出された。その中で、サイバースペースに於ける安全性と信頼性を確保する為には、以下の要素に考慮した解決策を模索することが必要であることが強調された。産業界・政府側双方を拘束するような合意文書の発出は行われなかった。
- (イ)個人の自由と私生活の保護
(ロ)政府のハイテク犯罪への対策能力の向上
(ハ)あらゆる関係者に対する適切な訓練
(ニ)ハイテク犯罪対策に向けられた明白且つ透明性の高い枠組み
(ホ)自由・公正な経済活動、及び産業界の健全な発展の確保及び産業界の自発的イニシアティブに基づく行動規範と基準の支援
(ヘ)実効性と結果3.評価
(1)今次会合では、産業界と政府側が率直且つ実務的な意見交換を行うことにより、産業界と政府側との継続的な協力関係構築に向けての第一歩となった。
(2)今次会合では、ハイテク犯罪対策に関し、産業界と政府側がそれぞれ問題点を提起し、その解決方法を話し合うことにより、今後、ハイテク犯罪に関し共同して取り組む必要性につき産業界と政府側との間に共通の認識が形成された。
(3)今回の会合の成果については、22ー24日に行われるリヨングループ京都会合で更に検討され、九州・沖縄サミットに反映されることが期待される。
G8ハイテク犯罪対策政府・産業界合同会合:
サイバー空間における安全性と信頼性に関する政府と産業界との対話プレスリリース(仮訳)
2000年5月17日
- 全G8メンバー国から集まった政府及び産業界の代表者たちは、5月15日-17日、パリにおいて、G8パリ会合:サイバー空間における安全性と信頼性に関する政府と産業界との対話を行い、ハイテク犯罪、インターネットの犯罪目的での使用に関連した、産業界・政府側共通の課題及びその課題の解決手段につき議論した。右会合はG8リヨングループがイニシアティブを取り、運営された。以下の文は、会合に出席した政府団団長によって発出されたものである。
- 情報・通信技術は、情報の入手、共有及び交換と経済の発展にとって、かつてない機会を提供している。全てのG8諸国は、経済、プライバシー、人権、社会等の考慮と、サイバー空間における公共の安全と信頼性を維持する必要性とのバランスを取ることにより、電子商取引の発展を促す環境を作ることの重要性の大きさを認識する。
- ハイテク犯罪の進展は、サイバー空間の安全性と信頼性を脅かすものである。それは、企業や国家のみならず一般私人に直接影響を及ぼす。
- 各種のシステムを通じてインターネット犯罪者の所在を確認し及びその身元を特定する能力は、電子的要素を帯びた犯罪の抑止、捜査及び訴追にとって極めて重要である。コンピュータ・ネットワークの越境的性質は、犯罪者が押収を逃れるために情報を外国に保存したり、それを素早く移動又は削除したりすることを比較的容易としている。多くのコンピュータ・ネットワークや通信網の越境的性質が、法的に認められる捜査にとって大きな課題となっていることから、G8は、この問題に「国境を越えた犯罪」の文脈で率先して取り組んできた。
- G8諸国は、これら新しいネットワークの合法的利用者の保護を改善し、もって情報技術の持続可能な発展を保証するためには、一層迅速な或いは画期的な解決策を発展させるべきであり、また、そのためには政府と産業界が協力しなければならないと確信する。解決策の内の幾つかは、実施体制、法制度及び国際協力手続の適合を必要とする国家自身の事柄である。また、民間部門と政府との間の協力のための原則の発展を求めるものもある。一層の作業が必要であるが、既に政府と産業界とはサイバー犯罪に立ち向かう措置を取ってきている。
- 政府と民間部門とは、情報・通信技術の不正なあるいは有害な使用との闘いにおいて共通の利益を有している。政府と民間部門との対話は、いくつかの理由により、明らかに必要不可欠なものである。即ち、企業自身が犯罪行為の被害者となることもしばしばであり、また、企業はサイバー犯罪対策を提案するに適している。
- これらの課題の全てに応えるべく、G8諸国は、初めて、政府と民間部門の双方からの上級代表者を一堂に集めた。こうして、犯罪の防止及び訴追に責任を有する公的機関は、情報技術分野の主要企業130社の代表と対話を開始することができた。実りある対話を通じて、彼等は、先端技術の使用がもたらす諸問題について討議し、可能な限り最善の解決策を発展させるための措置を講じることができた。
- 3日間の会議の中で、いくつかのテーマが討議された。サイバー犯罪者の所在及び身元の特定に際し、直面する問題点が特に留意された。参加者は、以下の要素を考慮に入れつつ、既存の規則を改善し、新たな解決策を発展させる必要性を強調した:
- 個人の自由及び私生活の保護
- 政府のハイテク犯罪への対策能力の維持
- あらゆる関係者に対する適切な訓練
- ハイテク犯罪対策に向けられた明白かつ透明性の高い枠組み
- 自由・公正な経済活動、及び産業界の健全な発展の確保及び産業界の自発的イニシアティブに基づく行動規範と基準の支援
- 実効性と結果の評価
- また、参加者は、ハイテク犯罪に有効に対処するために、G8内の、また、G8を越えた国際協力が不可欠であるとの見解を共有した-情報技術の乱用に安全な避難所(セーフ・ヘーブン)があってはならない。
- この会議の成果は、本年7月沖縄で会合する予定のG8各国首脳の討議に資するものと期待される。
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