G8外相会合の際の日露外相会談（概要）

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G8外相会合の際の日露外相会談
（概要）

平成15年5月24日

　5月23日現地時間15時より45分間、パリにおいて日露外相会談が開催されたところ、概要以下のとおり。

1．政治日程

（1）	イワノフ外相より、1月の小泉総理訪露の際に採択された「日露行動計画」では、二国間関係を全般的に発展させるための方向性について規定しているが、これが着実な進展を見ていることを歓迎する、中でも政治対話の進展が重要であり、今後ハイレベルの政治対話、議会交流、省庁間交流が進展することが重要である旨述べた。
（2）	これに対し川口大臣より、チェチェンにおける爆破テロに関連して改めて哀悼の意を表するとともに、6月28～30日にウラジオストクを訪問し、日露貿易経済政府間委員会共同議長間会合を開催したい旨述べた。
（3）	これに対しイワノフ外相より、本件についてはフリステンコ副首相の参加も確定しており、同会合の開催を歓迎する旨述べ、川口大臣より、このようなハイレベルの交流は「行動計画」の実施の観点からも重要である旨発言した。

2．平和条約締結問題

（1）

川口大臣より、「行動計画」を着実に実施していく中で、平和条約問題の優先順位を下げず、両首脳の「決意」を踏まえ交渉を加速させたく、56年共同宣言、東京宣言、イルクーツク声明を含むこれまでの諸合意に基づき、四島の帰属の問題を解決する途をイワノフ大臣と考えていきたい、また、両国民への啓発活動が重要であり、四島周辺水域操業枠組み協定、四島交流等の四島を巡る協力を継続し、建設的雰囲気を維持することが重要である旨述べた。

（2）

これに対しイワノフ外相より、相互に受け入れ可能な解決の模索が両国間にとって最も重要な課題であり、ロシア側は対話を継続していく用意があり、問題解決の達成は両国の利益に適うものである、ロシア側はこれまで二国間で達成された諸合意にしたがって努力を継続していくことに同意する、この問題の解決は日露間の幅広い分野での関係発展と信頼関係強化により可能となる、我々は「行動計画」のあらゆる分野が進展していることを歓迎するとの見解が示された。

3．エネルギー分野における協力

（1）

サハリン・プロジェクト

　川口大臣より、エネルギー分野での協力は「行動計画」の中でも重要な分野である、サハリン2が総額100億ドルの次期開発段階の投資決定を発表したが、右決定は、日本のガス・電力企業が20年以上にわたって同プロジェクトからLNGを購入する決断をしたことにより可能となった、またサハリン1については、原油パイプラインの建設準備が進展しており、両プロジェクトの進展は「行動計画」の実現の重要な一歩として歓迎する、引き続き、円滑な実施のためのロシア政府の協力を要請する旨述べた。
　これに対しイワノフ外相より、エネルギー分野での日露の協力の進展を歓迎する、このような協力の進展は両国の利益に適うものである旨述べた。

（2）

太平洋パイプライン・プロジェクト

　イワノフ外相より、22日にロシアで開催された今後のエネルギー戦略に係る閣僚会議の詳細については承知していないが、エネルギー分野での協力に日本が関心を有していることは歓迎している、6月末の川口大臣の極東訪問の際にエネルギー分野を担当しているフリステンコ副首相との間で詳細な意見交換が行われることを期待する旨述べた。
　これに対し川口大臣より、ロシア政府は未だパイプラインのルートを検討中と承知するが、本件の戦略的・地政学的意義を踏まえ、日本との協力を促進する形で決定が行われることを期待する旨述べた。
　これに対しイワノフ外相より、ロシア側として本件決定にあたりナホトカへのパイプラインを政治的に肯定的に見ており、政治的判断を踏まえて、経済性、採算性に基づいて判断が行われると承知している旨述べ、川口大臣より、いずれにせよ両国にとってプラスとなる決定が行われることが重要である旨述べた。

4．非核化協力

　イワノフ外相より、非核化協力委員会の活発な活動を通じてここ数ヶ月の間に退役原潜解体分野での協力が進展を見ており、このような努力を肯定的に評価している、川口大臣のウラジオストク訪問はこの点にもかかわり、今回の選択を歓迎する旨述べた。これに対し川口大臣より、ウラジオストク訪問はフリステンコ副首相から極東で共同議長間会合を開催してはどうかとの提案を受けてのものであったが、同時に、まもなく原潜解体第1号の作業が開始されることが期待されるところ、その現場を自分の目で見てみたいとの気持ちからウラジオストク訪問を決めた旨述べた。

5．「ロシアにおける日本文化フェスティバル2003」

　イワノフ外相より、4月20日に本件オープニング行事がサンクトペテルブルクにおいて成功裡に行われた旨指摘があった。