今次発出文書のポイント
(アフリカとの対話セッション)
平成15年6月1日
【ポイント】
- 2002年のカナナスキス・サミットで採択された「G8アフリカ行動計画」の実施状況に関する、アフリカ個人代表からG8首脳への報告書。
- G8とアフリカとのパートナーシップを強調。
- 2003年9月に開催される「第3回アフリカ開発会議(TICAD・)」への言及あり(パラ9)。
【発出文書】
【発出文書のポイント】
(1)柱書き
- 「アフリカ開発のための新たなパートナーシップ(NEPAD)」はアフリカ自身による開発イニシアティブ。G8はカナナスキス・サミットでNEPADを支援するために「アフリカ行動計画」を採択。この中で、NEPADの目的実現に取り組み、成果を上げるアフリカ諸国との間で「強化されたパートナーシップ」の関係を構築。
(2)アフリカ側の進展
- アフリカ連合(AU)の発足
- これまでの紛争地域(アンゴラ、エチオピア・エリトリア、シエラレオネ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、スーダン)における和平に向けた進展、コートジボワール内戦に対する西アフリカ地域での取組の進展
- 複数の国における民主的な選挙の実施
- アフリカン・ピアレビュー(相互審査)メカニズムの採択
(3)G8の対アフリカ協力の進展
- 平和及び安全の推進
- アフリカの平和支援活動能力向上のためのG8/アフリカ共同計画の策定等に言及
- 日本は人間の安全保障基金等のアフリカへ積極的活用を決定
- 制度及びガバナンスの強化
- 公共部門改革、議会、司法システムの強化、報道の自由のための支援等に言及
- 貿易、投資、経済成長及び持続可能な開発の促進
- G8は経済成長の重要性についての認識を共有。市場アクセスの改善、対アフリカ投資の促進、インフラ整備支援等に言及
- 日本はLDC産品に対する無税無枠の市場アクセス供与品目を拡大、投資金融を通じアフリカへも約3億ドルを目標に協力等を実施
- 債務救済の実施
- 22のアフリカの重債務貧困国に対しHIPCsイニシアティブの下で約320億ドルの債務救済を実施、HIPC信託基金に約8.5億ドルのプレッジ、非HIPCの低・中所得国に対する新たな救済アプローチに関するドービル財務大臣会合の合意を確認
- 日本はアフリカ諸国に対して49億ドルの債務削減(円借款債権、コメ延べ払い債権、旧輸銀債権、貿易保険債権分)を実施
- 知識の拡大:教育の改善、促進及びデジタル・オポチュニティの拡大
- アフリカの基礎教育支援の推進等に言及
- 日本はアフリカの基礎教育分野で2002年に5100万ドルの支援を実施
- 保健衛生の向上及びHIV/AIDSとの対決
- HIV/AIDS(米国が約150億ドルの支援を表明)、ポリオ対策、保健システムの向上等に言及
- 日本はポリオ撲滅に向け2005年度までにアフリカ地域を含め約8000万ドルを目標とした支援等を実施
- 農業の生産性向上
- アフリカの飢餓対策としてG8として17億ドルの食糧支援を実施等に言及
- 日本はカナナスキス・サミット後アフリカに対して約9600万ドルの食糧支援、NERICAの研究・開発・普及支援等を実施
- 水資源管理の向上
- 水問題の解決のためにガバナンス、能力向上、資金調達の重要性等に言及
- 日本は水分野における日米、日仏協力等を実施
(4)結び
- 他の先進国や国際機関がNEPADとの対話に参加したことに感謝。アフリカがNEPADの長期目標の達成に向けて努力するならば、G8もアフリカ行動計画の実施を更に進めていくことが必要。
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