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G8のハイテク犯罪対策について
平成12年7月5日
1.「ハイテク犯罪」「ハイテク犯罪」※は、一般的にコンピュータ技術及び電気通信技術を悪用した犯罪を意味する。具体的には、インターネット等のコンピュータ通信網から企業や官庁などのコンピュータに侵入し、情報を盗んだり破壊したりするもの、コンピュータウィルスを使ってデータを破壊したりするもの、インターネットを利用して詐欺をはたらいたり児童ポルノを掲載したりするもの等が挙げられる。ハイテク犯罪は、市民の生命、財産、プライバシーに対する新たな脅威となっており、サイバー空間の安全性と信頼性を脅かしている。
※電気通信技術、ネットワークを悪用する点をとらえて「サイバー犯罪」、「ネット(ワーク)犯罪」等との用語も用いられている。もっとも、いずれも明確に定義されたものではなく、厳密な意味の区別、使い分けはされていない。
2.ハイテク犯罪を扱うフォーラム
現在、ハイテク犯罪対策が議論されている主な国際的フォーラムとしては、(1)G8サミットの下に設置されたリヨングループ(国際組織犯罪上級専門家会合)のサブグループの一つであるハイテク犯罪サブグループと、(2)欧州評議会(欧州の41カ国がメンバーで、我が国、米等はオブザーバー)のコンピュータ犯罪専門家会合の二つがある。
※現在、欧州評議会では、本年末の採択を目標にサイバー犯罪条約の起草作業が行われている。未確定ながら、同条約案は、犯罪の構成要件等を定める実体法部分と捜査手法・共助等に関する手続法部分等から成っている。なお、我が方はこれまでオブザーバーとして条約交渉に立ち会ってきた。
3.G8における取り組み
G8の枠組みであるリヨングループ・ハイテク犯罪サブグループは、通信網へのアクセス記録が簡単に消去され得るため、犯人の追跡・特定に困難が伴うことなどのハイテク犯罪捜査特有の問題に着目し、24時間体制のコンタクトポイント設置、ハイテク犯罪捜査促進のための法制度の検討、捜査共助要請に対する迅速な対応、国境を越えたデータに対するアクセスの在り方等について議論してきた。また、ハイテク犯罪対策には産業界との協力が不可欠であるとの認識から、本年5月にはG8各国の産業界と政府側との合同会合(於:パリ)を開催した。
1997年のG8司法・内務閣僚級会合(於:ワシントンDC)では、ハイテク犯罪が主要テーマの1つとして取り上げられ、ハイテク犯罪と闘うための原則と行動計画について意見の一致をみた。また、昨年10月のG8司法・内務閣僚級会合(於:モスクワ)においても、ハイテク犯罪が主要のテーマの1つとして取り上げられ、その共同声明では、ハイテク犯罪と対抗する上での産業界との協同の必要が改めて強調された。4.G8における最近の主な課題・検討内容
(1)ハイテク犯罪対策における産業界との対話・継続的協力関係の構築
ハイテク犯罪対策における産業界との協力の重要性については、98年のバーミンガム・サミット以来、広く認識され、本年5月の上記合同会合の開催を契機に、今後も、国内外で種々の機会をとらえて政府と産業界との対話の場を設け、継続的な協力関係を構築していくことが重要である。
(2)コンピュータ関連犯罪に関する犯人の追跡・特定可能性
複数のコンピュータネットワークを介して犯罪が敢行された場合、その犯人を特定するためには(発信元を直接特定するシステム等がない限りは)経由したコンピュータを順次遡る必要が生じる。その過程においては、国境を越えなければならないケース、また、通信履歴に関する記録が消去されているケースが十分に考えられ、ここにコンピュータネットワークを介した犯罪捜査の特殊性、困難性が存する。
ハイテク犯罪サブグループにおいては、かかる点を克服し、犯人を追跡・特定するために採り得る選択肢について検討をすすめてきたが、今後、産業界とも協議しつつ、選択肢についての検討を深めていくことが重要である。
目次
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