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社会開発国連特別総会(概要と評価)

平成12年7月3日

1.概要

(1)6月26日から7月1日までジュネーヴで「グローバル化する世界における全ての人々のための社会開発」をテーマとする社会開発国連特別総会が開催された。特総には、我が国より有馬政府代表を首席代表とし、日下部参議院議員、NGO、外務省、農水省、労働省等からなる代表団が出席した。

(2)今次会議は、95年の社会開発サミットで採択された「コペンハーゲン宣言及び行動計画」採択5年後の実施状況を評価・検討すると共に、同行動計画の完全実施に向けた戦略につき協議し、「政治宣言」、「更なる行動とイニシアティブ」を採択した。

(3)「政治宣言」では、グローバリゼーションと世界経済の発展から取り残された人々を含めた全ての人が発展の機会を完全に享受できるようにすべきとし、「人間中心の開発」のために国際協力の強化が不可欠であるとしている。

(4)「更なる行動とイニシアティブ」では、貧困撲滅、完全雇用、社会的統合のための様々な具体的行動が盛り込まれた。多くは既に関連国際機関で取り組んでいるものであるが、特に注目すべきものとしては、例えば、社会開発のための企業の社会的責任の奨励、情報技術に関する途上国支援、途上国を念頭においた安価な治療法開発の奨励、アフリカ諸国におけるエイズ罹病率25%削減等がある。我が国の提案により世界教育フォーラムで採択された教育目標が盛り込まれた。

(5)EUは我が国とも協力しつつ「国際機関による貿易と雇用・社会開発に関する検討」を提案したが、途上国は本件がWTOにおける「貿易と労働基準の検討」につながる恐れがあるとして強硬に反対し、結局削除された。

(6)カナダが提案した「通貨取引税の検討」は我が国、米の反対により削除された。

(7)G77(シリア等)の提案した「外国軍の占領の廃止」は米との協議が最後まで難航し、若干の言及が含まれた。

(8)英等の提案した「社会政策に関する健全な原則ガイドラインの作成」については、途上国の反対により、国連社会開発委における「各国の経験の交換」を行うことで合意した。

2.評価

(1)「人間中心の開発」が成果文書の全体にわたって基本的考え方となっていることは「人間の安全保障」の観点から評価できる。

(2)世界第1位のODA国としての実績を有する我が国は開発、労働等に関わる部分につき積極的に発言し、合意成立において中心的な役割を果たした。具体的には、我が国の提案により「更なる行動とイニシアティブ」で、人材開発と雇用の拡大、基礎社会サービスへのアクセスの確保、マイクロクレジット等の生産財へのアクセス確保、貧困削減プログラムへの住民参加、ボランティアの活用、HIV/AIDS対策の強化等が最終文書に盛り込まれた。また、債務問題に関しては拡大HIPCイニシアティブの実施促進と途上国の債務管理能力の支援が我が国の提案により盛り込まれた。労働に関しては、各国からの要請により、我が国が最後まで残ったパラの協議を取りまとめた。

(3)我が国のステートメント(別添)で言及したHIPC世銀信託基金への拠出や適格HIPCへの非ODA債務の100%削減は途上国等から高く評価された。

(4)会議場内外には、多数のNGOが集会を行い、各国政府に対して様々なロビー活動を行った。我が国は、NGOとの間で2回対話を行った。

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