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経済


OECD「閣僚理事会」
第42回OECD閣僚理事会(概要)

平成15年4月

 4月29~30日、パリにて開催された第42回OECD閣僚理事会には、日本より、日出外務政務官、平沼経済産業大臣、竹中金融・経済財政政策担当大臣が出席しました。議長はニュージーランドのクラーク首相が就任し、副議長国は、日本とポルトガルが務めました。



主な議論の概要

(1) 世界経済の見通し

 イラク戦争の収束は直ちに世界経済の回復につながるものではなく、適切な財政・金融政策に加え、各国の構造問題への対処が必要であるとの見方が共有された。今後の経済見通しについては楽観的ながらも、(日・EU・米の)財政赤字、(米国の)貿易収支不均衡、SARS等のダウンサイド・リスクに留意する必要があるとの慎重な楽観主義(cautious optimism)が示された。消費者・投資家の心理の回復の必要性が強調され、その観点からも特に財政規律の重要性につき複数の閣僚より言及があった。

(2) 成長の強化と信頼の維持への政策

 現下の景気低迷の要因が循環的ではなく構造的な要因が大きいと認識され、将来的な人口構成の変化による財政赤字圧力の増大が予想される中で、中長期的な経済成長を達成するためには、更なる構造改革を推進し、労働市場の柔軟性を確保し、生産性の向上などにとりくむことが必要であるとの指摘が多数の国よりなされた。 適切な政策の実施のためには、政治的意思が不可欠であるとの認識が共有された。今後OECDで構造調整プログラムの成功例につき情報収集を行い、構造調整実施にかかる障害を明らかにすることは有益との認識が共有された。日本によるOECDでのサービス経済の研究提案は、今後OECD理事会で議論されることとなった。

(3) 途上国の成長と投資の促進

 日本より、途上国への民間投資促進に資するガイドラインの策定やODAの効率的活用等を柱とするOECDの行動計画策定を提案した。これを受け、非加盟国及び国際金融機関も含め非常に活発な議論が行われ、日本提案は多数の国より支持され、今後OECDで詳細な計画の策定につき検討することとなった。

 民間投資促進のためには、投資受入国及び周辺国の市場の存在が不可欠であるとの認識が共有された。また、良いガバナンス、貿易アクセスの開放、ビジネス環境の整備等全てのテーマが相互連関的であることが確認された。

(4) OECDの改革

 日本より、OECDは国際社会が直面する重要な課題に迅速かつ柔軟に取り組むため改革が必要であること、加盟圧力の高まりが予想される中で明確な拡大戦略の策定が必要であること、「意思決定方式の見直し」及び「分担率の見直し」は改革・拡大の前提条件であることを発言し、理事会で決議された改革のロードマップへの支持を表明した。

 ロードマップについては、米、英、独、伊等を含む大多数の国からの支持が得られ、意思決定方式を含む改革作業全体のスケジュールについて閣僚レベルで確認がなされ、その成果を2004年の閣僚理事会で閣僚に対し報告し、勧告を提示することとなった。

(5) 貿易

 貿易については、重要な「期限」が逃されたことを率直に認識した上で、ドーハ・ラウンドを成功させることや2005年の交渉期限、また今次ラウンドでの開発の重要性について明確なコミットメントが示された。5月に期限を迎える非農産品市場アクセスについては、関税削減のフォーミュラ、これを補強するセクター別ゼロゼロ、低関税の撤廃、及び途上国への配慮が重要な要素である旨の発言もあった。

 カンクンまで今後数ヶ月重要となる分野について、各国より開発(途上国問題)、農業、非農産品、サービス、シンガポール・イシュー、ルール等への言及があった。閣僚は、この重要な時期におけるリーダーシップの必要性を強調した。また、WTO交渉を支援するためのOECDの分析作業に対する期待も示された。

 日本よりは、次の諸点等を発言。(イ)世界経済が不透明感を増す中、カンクン会合を実りあるものとし、ドーハ・ラウンドの成功へ道筋をつけることにより、国際経済秩序への信任を強固なものとしなくてはならない。(ロ)そのためには、いたずらに悲観論に陥ることなく、しかし危機感をもちつつ、閣僚が積極的にプロセスに関与し、カンクン前に解決すべきことを可能な限り早期に解決するとともに、5月末期限の非農産品についても先進国・途上国共通の単一フォーミュラに合意することが重要。




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