(1) 概要
マルタは1964年に英国から独立し、1974年に共和制に移行した。人口はわずか39万人だが、地中海地域における交易の重要な位置を占める。
1987年以降、親西欧、自由主義経済を推進する国民党が政権を担当していたが、1996年の総選挙で国民党は消費税導入に対する有権者の反発を受け労働党に敗北した。しかし、1998年の総選挙で再び政権に復帰し、欧州連合(EU:European Union)加盟を最大の政策目標として、経済の自由化、公営企業の民営化、産業再編・合理化、輸出復興、外国資本の誘致等を推進してきた。その結果、マルタは2004年5月1日EU加盟を果たしたが、競争力のある産業構造構築、農業及び運送分野の強化に向けて更なる努力が求められている。
マルタは、国土が狭く、天然資源も乏しく、主要な物資を輸入に依存している。造船・船舶修理、観光が伝統産業であるが、近年は半導体など産業の多様化、高度化に努めている。
(2) 「貧困・社会的弱者対策計画2004-2006年」
(イ) 経済:超過財政赤字の削減、雇用創出、公的資金の持続的保証
(ロ) 労働市場:特に女性に焦点を当てた雇用の増大
(ハ) 教育:非識字率への取組、生涯教育及び若者層に対する大学進学の奨励
(ニ) 社会保障:福祉制度の強化、住宅事情改善