(1) 概要
ハンガリーは、一貫して「西欧への復帰」を最大の外交目標に掲げており、1999年3月には北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)への加盟を果たし、2004年5月には念願の欧州連合(EU:European Union)加盟国となった。また、近隣諸国に居住するハンガリー系少数民族の擁護に力を入れている。
ハンガリーでは社会主義時代より比較的自由な市場経済を導入していたが、体制転換後、巨額な財政赤字と貿易赤字に直面した。1995年より社会福祉削減等の財政緊縮政策を採り、当初は国民の反発を引き起こしたが、1997年より国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)がプラス成長に転換し、良好な経済パフォーマンスを誇ってきた。ただし、近年は財政赤字が再び増大しており緊縮財政政策に転換している。
(2) 「国家開発計画」
ハンガリー政府は国民の生活水準の向上を長期目標として掲げ、この目標を達成するため国家開発計画の中で3つの目標「より競争力のある経済」、「人材の開発」、「環境・地域開発手法の向上」を挙げている。今後、これらの目標を達成するため、経済競争力プログラム、
人材開発プログラム、
環境保護・インフラ整備プログラム、
農業・農村開発プログラム及び
地域開発プログラムの5つのプログラムが実施される。