[8]ニウエ

1.ニウエの概要と開発課題

 ニウエは19世紀にキリスト教宣教団により初めて欧州との接触を持った後、1901年にニュージーランドの属領となり、1974年に内政自治権を獲得し、立法権及び行政権を有することとなった。外交、防衛については、ニュージーランド政府が法的責任を有する自由連合関係にある(ニウエの総督はニュージーランドの総督が兼任)。但し、ニウエの外交権は妨げられておらず、国連加盟国ではないものの世界保健機関(WHO:World Health Organization)等の国連機関や太平洋諸島フォーラム(PIF:Pacific Islands Forum)、アジア開発銀行(ADB:Asian Development Bank)等地域機関にも独自に加盟し、国際社会における立場を発展させてきている。2004年10月末には、ニュージーランドとの自由連合関係成立30周年を記念する式典を開催した。
 ニウエは太平洋地域の島嶼国と同様に地理的に孤立し、脆弱な経済基盤しか有していないため、ニウエ経済はニュージーランドや国際機関等からの援助や海外居住者からの送金に頼るしかないというのが実状である。近年、ニウエ政府は、観光業を経済発展のための最も重要な分野と位置づけ、ニュージーランド政府の援助を受けつつ、世界最大の隆起珊瑚礁であるニウエの自然美を活かした観光分野の開発や水産物輸出に努力している。
 ニウエ人はニュージーランドの市民権とパスポートを有しており、ニュージーランドへの人口流出による労働力不足とコミュニティーの維持が深刻な問題となっている。また2004年1月ニウエを襲ったサイクロン「ヘタ」により壊滅的被害を受けたため、同年8月に予定されていたPIF総会開催を断念することとなった。現在ニュージーランドを中心に復旧支援活動が行われている。
 我が国はニウエとは外交関係を有していないものの、2000年4月の第2回太平洋・島サミットにはラカタニ首相(当時)が、2003年5月の第3回太平洋・島サミットにはビビアン首相がそれぞれ来日している。

表-1 主要経済指標等

表-2 我が国との関係

表-3 主要開発指数

2.ニウエに対するODAの考え方

 ニウエは人口が少なく、一人当たりの所得水準も比較的高いこと等により、これまで我が国の協力は研修員受入れ、太平洋青年招聘事業、感染症対策の機材供与を中心とした技術協力のみを実施している。

3.ニウエに対する2003年度ODA実績

(1) 総論
 2003年度のニウエに対する援助実績は、技術協力0.03億円(JICA経費実績ベース)であった。2003年度までの援助実績は、技術協力1.03億円(JICA経費実績ベース)である。
(2) 技術協力
 これまで研修員受入事業を中心に技術協力を実施している。2003年度の協力としては、若干名の研修員受入が実施された。

表-4 我が国の年度別・援助形態別実績

表-5 我が国の対ニウエ経済協力実績

表-6 諸外国の対ニウエ経済協力実績

表-7 国際機関の対ニウエ経済協力実績

表-8 我が国の年度別・形態別実績詳細


プロジェクト所在図


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