(1) 概要
1966年の独立以来複数政党制による安定した政治運営が行われており、ボツワナはアフリカの中でも最も民主的な国の一つと言うことができる。独立以来ボツワナ民主党(BDP:the Botswana Democratic Party)が政権を維持しており、2004年10月に実施された国民議会選挙においてもBDPが第一党の座を維持し、モハエ大統領が再任された。
外交面では、南部アフリカ近隣諸国との友好平和路線を基調としており、南アフリカ共和国の民主化に伴い同国との関係の改善を進めている。また、南アフリカ共和国を中心として構成される南部アフリカ開発共同体(SADC:Southern African Development Community)に加盟しつつ、その事務局を首都ハボローネに有するなど、積極的な南部アフリカ外交を展開している。
ボツワナの一人当たり国民総所得(GNI:Gross National Income)は、3,430ドル(2003年)と南部アフリカ諸国においては高い水準にあるが、ダイヤモンドがGNIの約30%、輸出総額の約70%を占めているため、ダイヤモンドに偏った産業構造の多角化を目指している。また、感染率の高いHIV/AIDSへの対策等の課題を抱えている。
我が国は、米国と並びボツワナ産のダイヤモンドを最も多く輸入している。(2003年度輸入額23.2億円)。我が国は同国に対し、自動車、自動車部品等を輸出している(同輸出額3.5億円)。
(2) 第9次国家開発計画
経済面では、ダイヤモンド依存型経済からの脱却を目指している。第9次国家開発計画(2004年4月~2009年3月)は、経済多角化、雇用創出、貧困削減、マクロ経済の安定、エイズとの闘いを含む人材開発等を内容としている。貿易面では、南部アフリカ関税同盟(SACU:Southern African Customs Union)諸国及びヨーロッパ連合(EU:European Union)との貿易を最も重視している。