ソマレ首相は、施政方針演説において、




88年末に発生したブーゲンビル島における独立分離運動は、ブーゲンビル独立派とPNG政府軍との間で武力衝突が繰り返されたが、2001年8月末にPNG政府と自治政府との間で「ブーゲンビル合意」が署名され、現在武器回収等が進められている。
外交面では、豪州及び太平洋島嶼国との協力関係重視を基本としつつも、豪州依存からの脱却を指向し、諸外国との関係緊密化へと多角化を進めてきている。同国は93年11月APECへの正式参加が認められ、太平洋島嶼国はもとより、ASEAN諸国や東アジア諸国との関係強化を図っている。
経済面では、自給自足経済と貨幣経済が混在する二重構造を有し、一次産業を主体としている。主要輸出産品は金、銅、石油、木材等であり、特に、主要鉱産物は輸出額の約8割を占めている。主な輸出相手国は我が国、豪州、中国、米国等であり、主な輸入相手国は、我が国、豪州、シンガポール、ニュージーランドである。
モラウタ前政権の際、悪化していた経済を立て直し、マクロ経済安定化を図るため、IMF・世銀との構造調整協議を重ねるとともに、我が国を含むドナー各国に財政運営安定化のための支援を要請、我が国もこれに応える形で2000年8月に5,000万ドル相当の構造調整融資の円借款供与を行った。
我が国との間では、独立以来、友好関係を構築している。経済面では、我が国はPNGにとり第二位の貿易相手国(第一位は豪州)となっている。我が国はPNGより、銅鉱石、木材、魚介類を輸入する一方で、トラック、タイヤ及びチューブ、機械類等を輸出している。
97年10月には、第1回「太平洋・島サミット」出席のためにゲニア外相(当時)が訪日し、2000年4月には第2回「太平洋・島サミット」出席、同年6月には小渕元総理葬儀出席のため、モラウタ首相が訪日した。我が国からは、2000年の独立25周年式典に伊藤公介衆議院議員が特派大使として出席した。2002年8月、植竹外務副大臣(当時)は、PIF域外国対話に出席した後PNGを訪問し、就任間もないソマレ首相と会談した。また、2003年5月には、ソマレ首相は、第3回日・PIF首脳会議(太平洋島サミット)に出席するため訪日した。