[7]ナ ウ ル

1.概   説

 68年、豪州、ニュージーランド、英国の三国を施政権者とする国連信託統治下より独立した。人口(約1.0万人)、面積(21.1km2)ともに域内で最も小規模な国家である。97年2月政情安定化を目指した総選挙により、クロドゥマール議員が大統領に選出されたが、98年7月にはドウィヨゴ元大統領が大統領に返り咲いた。その後不信任や総選挙を経てドウィヨゴとハリスが約1年おきに交互に大統領を努める状況の末、2003年1月、ドウィヨゴが大統領に再任されたが訪米中の3月に急死。ギオウラ大統領が就任した。5月に任期満了に伴う総選挙が行われ、6月、スコッティー大統領が就任したものの、8月に不信任決議が採択され、再びハリス大統領が就任した。こうした内政の不安定さにより財政再建築の実施が停滞し、また、償還期限切れのナウル国債の返済が滞る等、財政再建への道は困難を極めている。
 外交面では、独立以来豪州と緊密な関係を維持しており、また英連邦の加盟国で、地域協力機関(PIF、PC)にも加盟している。また、99年9月に国連に加盟した。
 経済面は、燐鉱石輸出に完全に依存しているが、燐鉱石は、近い将来に枯渇する見込みであるため、その後の経済政策と採掘跡地の復旧を如何に進めるか、また代替の収入源を如何に確保するかが最大の課題である。現在、海運、航空業、海外におけるホテル経営等に投資し、更にフィリピン、インドとの間に合弁燐酸肥料プラント建設の取極を結ぶ等、多角的資金運用を通じて枯渇後に備えているが、現在のところ必ずしも芳しい成果をあげていない。また、豪への入国を目指していたアフガン中東難民の収容を受け入れることにより豪から多額の援助を受け取っており、収入源となっている。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

 我が国との関係では、二国間民間漁業協定が94年7月に発効している。
 97年10月の第1回「太平洋・島サミット」(東京開催)、同年12月の気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3、京都開催)には、クロドゥマール大統領(当時)が出席し、地球温暖化問題についての島嶼国の立場を訴えた。2000年4月の「太平洋・島サミット」にはクロドゥマール大統領補佐大臣(当時)が出席した。また、2001年8月、ナウルの首都ヤレンで開催された日・PIF域外国対話に出席するため、小島外務大臣政務官(当時)がナウルを訪問した。

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) 基本方針
 ナウルに対して近年経済協力を行っているのは、我が国の他、豪州、ドイツ、ニュージーランドの4カ国のみであり、国際機関も近年協力を行っていない。
(2) 2001年度の実績
 我が国は、ナウルが高い所得水準を有していることもあり、長らく技術協力実績を持つに留まっていた。
(イ) 無償資金協力
 2001年度案件ではないが、98年度に水産分野における良好な二国間関係に鑑み、初の無償資金協力として「アニバレ漁港整備計画」を実施した。
(ロ) 技術協力
 2001年度には若干の研修生受入れを実施している。

3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
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