[14]セントビンセント及びグレナディーン諸島

1.概   説

 79年に英国から独立し、84年以来、ミッチェル首相が率いる新民主党(NDP)が政権を担当していたが、2001年総選挙にて野党の統一労働党(ULP)が勝利を収め、ゴンサルベス党首が首相に任命された。
 外交面では、英国との関係を重視しており、また、カリブ共同体諸国との連携を推進している。
 経済面では、バナナの輸出と観光が主要産業である。自然災害、国際価格の変動に大きく影響を受けてきたが、概して安定した経済成長を維持している。米国の景気後退に加えて、2001年9月の米国における同時多発テロ事件が欧米からの観光客に大きく依存している観光業に打撃を与えたこともあり、2001年のGDP成長率は0.3%にとどまった。2002年は、バナナ生産部門の構造調整、金融部門の強化等の改革を実行することにより、GDP成長率は4.0%にとどまった。
 我が国とは80年に外交関係を樹立した。93年より開始された日・カリブ協議等を通じ我が国との関係は緊密化しつつある。2000年11月に東京にて開催された第1回日カリブ閣僚レベル会議の際には、クルックシャンク外相が訪日した。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) 基本方針
 セントビンセントは独立してから日が浅く人口規模も小さいが、我が国は技術協力、水産無償協力等を中心とした援助を行っている。
 技術協力では、水産分野における専門家派遣、農業、工業分野等の研修員受入れを行っている。2000年11月には、青年海外協力隊派遣取極が締結され、2003年より同隊員が派遣された。
 無償資金協力では、87、88年度に、東カリブ諸国に対する初の水産無償協力としてキングスタウンに魚市場を建設したほか、漁業開発計画、沿岸漁業建設計画、水産センター建設計画等の水産無償案件を実施している。また、91年度からは文化無償協力、98年度から草の根無償資金協力を実施している。
(2) 2001年度の実績
(イ) 総論
 2001年度のセントビンセントに対する援助実績は0.42億円。うち、無償資金協力は0.05億円(交換公文ベース)、技術協力は0.37億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)であった。2001年度までの援助実績は、無償資金協力は31.94億円(交換公文ベース)、技術協力は7.43億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)である。
(ロ) 無償資金協力:教育分野を中心に実施。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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