81年の英国からの独立前からV.バード首相(99年6月逝去)が政権を担当していたが、94年より、同首相の次男であるL.バード首相が政権を担っている。外交面では、米国との友好関係維持、カリブ諸国及び英国との関係を重視している。近年、同国を含むカリブ共同体(CARICOM)加盟諸国は、国際社会における発言力を強めてきており、国連をはじめとする国際機関等においては、外交政策で共同歩調をとるなど、共同体内での意思統一・意見調整を活発に行っている。
経済面では、観光業の成長を背景に、80年代半ばに高い経済成長率を達成したが、90年代に入り経済は停滞し始めた。観光業以外にほとんど産業が育成されておらず、災害等外的要因に大きく左右される脆弱な経済構造を抱えている。米国の景気後退に加えて、2001年9月の米国における同時多発テロ事件が、欧米からの観光客に大きく依存している観光業に打撃を与えたこともあり2002年GDP成長率は1.7%にとどまった。
我が国との関係は、貿易を含め稀薄であったが、93年より開始された日・カリブ協議(CARICOMとの政策対話)、駐日名誉領事館の設置(97年5月)、駐日大使の任命(97年7月)等を通じ、強化されつつある。2000年11月、東京にて開催された第1回日・カリブ閣僚レベル会合には、ハンフリーズ貿易相が訪日した。また、2003年5月には、ヴエア・バード農業・国土・漁業大臣が訪日し、我が国との関係について幅広く意見交換を行った。
また、2002年11月、カリブフェアの一環としてカリコム諸国の物産、観光を紹介する目的で開催されたカリブ展(ジェトロ・カリブ共同体共催)に出席するためガストン・ブラウン計画相が訪日した。