(1) 内政面では、少数(国民の3割)のイスラム教スンニー派が多数派(国民の7割)のシーア派を統治していること、若年層の就職難の深刻化等の状況がある。これらの要因を背景とした94年末の騒擾事件の断続的発生を受け、政府は民意を反映した施策を通じ失業問題に取り組んできた。また、同国は2002年2月の憲法改正を機に体制を首長制から王制に変更するとともに、立法権を持つ二院制議会の設立と下院における普通選挙の実施、男女の権利平等を規定するなど、さらなる民主化への取り組みを進めている。
(2) 外交面では、湾岸協力理事会(GCC)諸国との友好関係の維持を軸としつつ、特に安全保障については、米国、英国等との緊密な関係の維持に努めている。
(3) 経済面では、石油及び天然ガスが政府歳入と輸出の約6割、GDPの約3割を占めているが、近年、産業構造の多角化を目指し、石油精製、アルミ精練等の工業化を推進し、諸外国からの投資受入れ促進に努め、また、金融・商業面での活動を活発化させ、整備されたインフラを基に湾岸地域における金融、情報、交通等のセンターを指向している。
(4) 我が国からは大手商社、銀行、証券会社等の企業(2002年2月末現在13社)が、中東の拠点としてバーレーンに事務所を設置している。貿易関係については、我が国は同国から石油、アルミ製品等を輸入し(2000年輸入額1億3,200万ドル)、同国に機械、電気製品等を輸出している(同輸出額1億8,200万ドル)。94年11月には皇太子・同妃両殿下が同国を訪問した。