我が国は、旧ソ連支援の一環として、中央アジア及びコーカサス地域がDAC途上国リストに掲載される以前の91年から、研修員受入れ、専門家派遣等を開始しており、92年10月の旧ソ連支援東京会議において表明した1億ドルの対NIS(旧ソ連新独立国家)人道支援及び93年4月のG7閣僚合同会合において表明した1億ドルの対NIS人道支援及び1.2億ドルの対NIS改革促進支援の一部をこの地域にも実施してきた。
中央アジア5カ国は93年1月より、コーカサス3カ国は94年1月よりDAC途上国リストに掲載されたが、これは、この地域に対するODA供与に道を拓くため、我が国がDAC諸国に対してDAC途上国リスト掲載を積極的に働きかけた結果であり、我が国がこの地域への支援を重視していることの表れである。
この地域に対する協力は、これら諸国が国家計画経済体制から市場経済体制への移行期にある国であり、ソフト面での協力が重要であると考えられることから、技術協力の分野で2001年度末までに研修員をこれら8カ国から約2,000名を受け入れた。このほか、経済運営、法制度整備支援、通信、金融、環境、運輸インフラ、保健・医療分野等の専門家派遣、資源開発分野での開発調査等を中心に協力を実施している。また、有償資金協力については、タジキスタン以外の各国へ運輸・通信インフラ、エネルギーを中心とした協力を行っている。無償資金協力については、保健・医療分野を中心とする一般プロジェクト無償、ノンプロジェクト無償、草の根・人間の安全保障無償等を実施している。
また、我が国のODA政策を説明するとともに、開発計画、援助重点分野、今後の援助のあり方などについて協議を実施してきており、キルギス、トルクメニスタンとは95年10月に、アルメニアとは96年7月に、グルジアとは99年3月に、またカザフスタンとアゼルバイジャンとは2002年の11月にそれぞれ経済協力に関する政策協議を実施している。また、2000年11月にはウズベキスタンに経済協力総合調査団を派遣した。
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