[45]リベリア

1.概   説

(1) ドー大統領政権下での政権腐敗、国内対立等を主因として89年12月反乱軍の武装蜂起により始まった内戦が7年以上続いた。95年8月のアブジャ合意に基づき和平プロセスが徐々に進展し、内戦終結後の97年7月に、国連、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)等の国際監視団の下、和平プロセスを完遂させる大統領・副大統領選挙及び上院・下院選挙が実施された。この選挙により選出されたチャールズ・テイラー国民愛国党議長を大統領とする新政権が発足した。同政権は、復興と開発を国家第一の目標と定め、国際社会からの支援も得つつこれに向けての努力を行った。しかしながら、2000年7月頃よりギニア国境においてリベリア反政府勢力とみられる武装集団との戦闘が発生、更に、2002年には首都モンロビア近くまで反政府勢力LURD(リベリア和解・民主連合)が迫るなど、同国情勢は不安定な状態が続いている。
(2) 外交面では、内戦以前は、非同盟中立の立場をとりつつ、米国をはじめとする西側諸国との関係を保つとともに、近隣アフリカ諸国との関係強化を図っていた。内戦終結後、新政権が発足すると、先進諸国はリベリアに対し、民主化支援、保健・医療等の分野での支援を実施する意向を示していたが、2001年3月、リベリア政府がシエラレオネの反政府勢力を支援しているとして、国連安保理は同国に対する制裁を決議。リベリア産ダイヤモンド原石の禁輸及びリベリア政府関係者の渡航禁止措置を講じた。
(3) 経済面では、内戦以前は、天然ゴム、鉄鉱石、カカオ、木材等の一次産品の輸出を主たる柱としていたが、内戦で推定15万人の死亡者、220万人以上の難民が出たといわれ、GDP総額も89年の11億ドルから近年は2.5億ドルへと激減するなど、経済は著しく疲弊している。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) リベリアに対する政府開発援助の基本的考え方
 我が国は、従来、食糧増産援助、保健・医療及び電力分野等を中心とする無償資金協力、また、研修員受入れ及び青年海外協力隊派遣等を中心とする技術協力により援助を実施してきた。しかし、90年5月以降は、内戦の激化に伴い、二国間援助は事実上停止している。90年度から緊急人道援助として、WFP、UNHCR、ICRC等国際機関経由による国内被災民向け食糧援助・難民援助等を実施している。99年3月にはUNHCRに対して難民の帰還及び帰還民の再定住・再統合の支援のため134万ドルを拠出した。また、97年7月の総選挙実施の際には国連リベリア信託基金に対して約80万ドルの財政支援を行っている。今後の援助実施については、同国の復興・再建に資する支援につき、国内情勢の安定化、民主化等の動きを注視しつつ検討していく必要がある。
(2) 2001年度の援助実績
 2001年度までの我が国の援助累計実績では、有償資金協力68.50億円、無償資金協力88.47億円(以上交換公文ベース)、技術協力38.31億円(JICA経費実績ベース)の協力を行っている。
 2001年度については、二国間援助を行っていない。
3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
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