[35]ブルンジ
1.概 説
(1) 93年10月の軍部によるクーデター未遂事件により、フツ族のンダダイエ大統領はじめ閣僚数名が殺害され、国内抗争が再燃した。それ以降の内戦によりこれまで約20万人が殺害されたと言われている。96年7月の軍事クーデターによりツチ族のブヨヤ元大統領が大統領に就任し、内政の安定に努めると、ニエレレ元タンザニア大統領のイニシアティブに基づく紛争当事者間の和平交渉が開始された。99年12月、同元大統領が死亡したため、和平交渉の調停役はマンデラ元南アフリカ大統領に引き継がれ、2000年8月には政府及び関係政党間で和平合意が署名された。これに基づき、2001年11月に暫定政府(36カ月)が発足し、前半18カ月の大統領にはツチ族のブヨヤ大統領が就任し、副大統領にはフツ族のンダイゼイエ氏が就任した。しかし、この和平合意には、反政府武装勢力は署名しなかったため、停戦の実施方法等については継続協議とされたが、依然として一部の反政府武装勢力との停戦合意には至っていない。
(2) 外交面では、96年7月のクーデターを受け、同年8月以来、タンザニアを中心とした周辺諸国により発動されていた経済制裁は、99年1月に一時停止された。国際社会は、ブルンジの安定は大湖地域全体の平和と安定にとって重要との認識のもと、同国情勢の安定させる方法を探っている。また、ブルンジ政府は周辺国と協調しつつ和平プロセスを進展させる方針をとっている。
(3) 経済面では、GDIの約50%、労働人口の90%以上を農林漁業が占めており、伝統的自給自足農業が中心となっている。資源の乏しい国土に高密度の人口を抱える中、武力抗争の続発により、経済基盤が弱体化している。
(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標
(4) 我が国は、ブルンジからコーヒー等を輸入(2001年輸入額444百万円)し、同国に自動車、鉄鋼板等を輸出している(同年輸出額139百万円)。
2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) ブルンジに対する政府開発援助の基本的考え方
93年10月のクーデター未遂事件発生以降、隣国ルワンダにおける内戦の影響や、国内対立により、我が国は、人道分野を中心にUNHCR、WFP、UNDP等国際機関を通じた支援を行っている。98年12月の政府承認を受け、99年度より研修員受入れを実施している。また、2001年2月、及び2002年3月には、WFPを通じそれぞれ5億円の難民支援等を行った。今後の援助実施については、同国の和平プロセスへの取り組み、治安の推移等を見極めつつ検討していくこととしている。
(2) 2001年度の援助実績
2001年度までの我が国の援助累計実績では、有償資金協力33.00億円、無償資金協力130.96億円(以上交換公文ベース)、技術協7.22億円(JICA経費実績ベース)の協力を行っている。2001年度は、無償資金協力0.25億円(交換公文ベース)、技術協力0.14億円(JICA経費実績ベース)を行った。
無償資金協力については、食糧援助(WFP経由)のほか、草の根無償資金協力も実施している。
技術協力については、研修員受入を中心に協力を実施した。
3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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