91年12月の複数政党制の導入を経て、93年6月制定された新憲法の下で同年7月大統領選挙及び国民議会選挙が実施され、民主化・政治的安定を達成して以来、内政は安定的に推移している。ルネ大統領は、任期中の2001年8月31日に大統領選挙を実施、6選を果たした。
外交面では、非同盟主義を掲げているが、旧宗主国である英、仏をはじめとする先進諸国と経済関係を中心に緊密な関係を有している。また98年には南部アフリカ開発共同体(SADC)に加盟するなど、アジア、アフリカ諸国に対しても積極的な外交を展開している。
経済は、観光業とその関連産業(GNIの約60%)及び水産業に依存していること並びに輸入に大きく依存していることが特徴である。一人当たりのGNIは2001年値で7,050ドルとアフリカ諸国の中にあっては群を抜いて高いが、第三次産業への依存体質は外的環境の変化に影響されやすいという弱点を有している。98年にはIMFから金融経済危機回避の緊急構造計画に迫られ、99年度の経済成長率は1.8%、インフレ率は3.0%とやや回復基調が見られていたが、2000年度はそれぞれ1.2%、5.8%となっている。
我が国は、セーシェルから魚等を輸入し(2000年輸入額1,137万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額284万ドル)。また、セーシェルからは90年7月にルネ大統領が来日したのを始め、ドゥ・サンジョール外相(当時)が数次に亘り来日したほか、98年10月にはボンレム外相がTICADIIに出席のため来日した。さらに、2001年8月に渡部衆議院副議長一行が親善訪問している。