[23]セーシェル

1.概   説

 91年12月の複数政党制の導入を経て、93年6月制定された新憲法の下で同年7月大統領選挙及び国民議会選挙が実施され、民主化・政治的安定を達成して以来、内政は安定的に推移している。ルネ大統領は、任期中の2001年8月31日に大統領選挙を実施、6選を果たした。
 外交面では、非同盟主義を掲げているが、旧宗主国である英、仏をはじめとする先進諸国と経済関係を中心に緊密な関係を有している。また98年には南部アフリカ開発共同体(SADC)に加盟するなど、アジア、アフリカ諸国に対しても積極的な外交を展開している。
 経済は、観光業とその関連産業(GNIの約60%)及び水産業に依存していること並びに輸入に大きく依存していることが特徴である。一人当たりのGNIは2001年値で7,050ドルとアフリカ諸国の中にあっては群を抜いて高いが、第三次産業への依存体質は外的環境の変化に影響されやすいという弱点を有している。98年にはIMFから金融経済危機回避の緊急構造計画に迫られ、99年度の経済成長率は1.8%、インフレ率は3.0%とやや回復基調が見られていたが、2000年度はそれぞれ1.2%、5.8%となっている。
 我が国は、セーシェルから魚等を輸入し(2000年輸入額1,137万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額284万ドル)。また、セーシェルからは90年7月にルネ大統領が来日したのを始め、ドゥ・サンジョール外相(当時)が数次に亘り来日したほか、98年10月にはボンレム外相がTICADIIに出席のため来日した。さらに、2001年8月に渡部衆議院副議長一行が親善訪問している。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) セーシェルに対する政府開発援助の基本的考え方
 我が国は、セーシェルの一人当たりGNPがアフリカ諸国の中で最も高い水準にあることから、工業、人的資源分野等での研修員受入れ等による技術協力を中心に援助を実施しているほか、水産無償及び文化無償協力を実施している。今後とも、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、研修員受入れを中心に援助実施を検討していく方針である。
(2) 2001年度の援助実績
 2001年度までの我が国の援助累計実績では、有償資金協力0億円、無償資金協力29.55億円(以上交換公文ベース)、技術協力10.81億円(JICA経費ベース)の協力を行っている。
 2001年度の無償資金協力の実績はない。技術協力については0.35億円(JICA経費ベース)で、保健医療、商業経営等の分野で研修員受入れによる協力を行った。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
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