[13]コートジボワール
1.概 説
コートジボワールでは、60年の独立以来政権の座にあったウーフェ・ボワニ大統領が93年12月に逝去。右を受け94年2月ベディエ国民議会議長が憲法規定に基づき新大統領に就任し、翌95年の大統領選挙で正式に大統領に選出された。
しかし、99年に入り、2000年10月に実施予定の大統領選挙を巡り野党幹部の逮捕・投獄や、野党有力対立候補であるワタラ氏への逮捕状が発出されるなどしたため、野党及び支持者のデモも発生し、国内の社会不安が急増し、99年12月、賞与未払い等の待遇改善を要求する一部兵士による騒擾事件発生を契機として、ゲイ元参謀総長が全権を掌握し、ベディエ大統領は失脚した。
その後、2000年10月に大統領選挙が実施されたが、暫定政権による一方的な選挙結果発表を巡り民衆の抗議行動が発生し、ゲイ元参謀長は失脚した。また、選挙の結果成立したバグボ政権の下、一部政党は不参加であったものの2001年1月までに国民議会選挙が実施され、10月から12月にかけては広範な関係者の参加する国民和解フォーラムが開催されるなど民主化プロセスが進展した.
外交面では60年の独立以来、フランスを中心とする西側諸国からの民間投資を積極的に受け入れ、また非同盟主義を建前としつつも、西側よりの穏健かつ現実的な外交政策をとっている。また、近隣諸国との関係では、99年末のクーデター以後、政治的経済的問題に起因する移住外国人排斥の機運が高まったため、多くのブルキナファソ人が流民となり自国に帰還し、ブルキナファソとの関係は緊張状態となった。
(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標
経済面では、同国の基幹産業は農業であり、GDPの3分の1、輸出総額の約2分の1を占め、農業就業人口は労働人口の65%を占める。主要な農業産品はココア、コーヒーであるが、近年の国際価格の低迷、膨大な対外債務により経済的危機に陥り、89年8月より、IMF・世銀の指導の下、構造調整計画を開始したが、99年初めには経済改善策が不十分としてIMFによる融資が停止されたほか、EUの援助約180億CFAフランに対する汚職が暴かれ、EUの援助が停止された。99年12月に発生したクーデターは外国からの援助を停滞させる要因となり、国内経済に大きな打撃となっている。
我が国との関係は従来より良好であり、貿易関係については、我が国は、コートジボワールから実綿、コーヒー、カカオ等を輸入し(2000年輸入額1,294万ドル)、同国に自動車、タイヤ等を輸出している(同輸出額3,168万ドル)。99年6月には、同国元首として初めてベティエ大統領が来日した。
2.我が国の政府開発援助の実績とあり方
(1) コートジボワールに対する政府開発援助の基本的考え方
我が国は、コートジボワールが、自由主義経済・民主的制度の下で内政が安定していること、西アフリカの中心国の一つとして、政治的に大きな発言力を有していること、我が国との関係が良好であること、同国の発展が周辺国に与える影響が大きいこと等に鑑み、同国に対して重点的に援助を実施してきた。
99年3月には無償資金協力及び技術協力に関する経済協力政策協議を実施し、TICADIIの成果に基づくフォローアップについて説明するとともに、経済情勢、開発計画、今後の援助のあり方等について意見交換を行い、初等教育、保健・医療、水供給分野を重点分野として援助を実施していくことを確認した。
我が国は、99年12月に発生した一部兵士による騒擾事件を発端として樹立された暫定政府との関係を考慮し、新規の経済協力については、緊急・人道的性格を有する援助を除き、原則として見合わせることとしてきた。
無償資金協力については、農業分野のほか、教育分野、保健・医療分野、水供給分野等の基礎生活分野を中心に実施している。技術協力については、技術協力プロジェクト、研修員受入れ、専門家派遣、青年海外協力隊派遣を通じ、農業、保健・医療等の分野で、開発調査については、農業分野、水資源管理等で実施している。
また、同国の構造調整努力を支援するため、89年度に72億円の円借款の供与を行ったほか、99年度までに合計167億円のノン・プロジェクト無償資金協力を供与した。ただし、コートジボワールは拡大HIPCイニシアティブの適用を受けており、現在、新規円借款の供与による協力は困難である。
(2) 2001年度の援助実績
2001年度までの我が国の援助累計実績では、有償資金協力191.00億円、無償資金協力401.17億円(以上交換公文ベース)、技術協力92.91億円(JICA経費実績ベース)の協力を行っている。2001年度は、無償資金協力0.51億円(交換公文ベース)、技術協力3.78億円(JICA経費実績ベース)を行った。
無償資金協力について、14件の草の根無償資金協力を実施した。
技術協力については、研修員受入、専門家派遣、青年海外協力隊派遣を中心に協力を実施した。
3.政府開発援助実績
(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)2001年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)2001年度実施草の根無償資金協力案件
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