タンザニア
国別援助計画の概要
1.政治・経済・社会情勢
 92年以降民主化が進展。経済構造改革は一定の成果があり、マクロ経済指標は改善傾向にある。一人当りGNPが220ドルの後発開発途上国(LLDC)。
一人当たりGNP(98年)と
GDP成長率(90-98年平均)
実質GDP成長率
220ドル、1.8%
(世銀資料)
93年 1.2%、94年 1.6%、95年 3.6%、96年 4.5%、
97年 3.5%、98年 3.3%、99年 5.3%(IMF資料)

2.開発上の課題
 農村を中心に貧困が深刻であり、93年に政府は開発計画指針と中期財政政策の性格を有するローリング・プラン(00~02年)を導入、2002年までに年6%の経済成長を目指す。主要課題は、01農業基盤の強化、02社会サービスの改善、03インフラ整備、04人材育成、05保健医療サービスの向上、06環境などがある。

3.我が国の対タンザニア援助政策
(1) 対タンザニア援助の意義
 アフリカ統一機構、非同盟諸国会議、国連などで積極的な外交を展開しているほか、近隣諸国の紛争解決に向けた仲介努力にも積極的な東部、南部アフリカの安定勢力である。また、民主化や経済改革を含めた開発努力に主体的に取り組んでいるほか、各種資源も豊富で潜在的な発展可能性を秘めており、我が国のアフリカ開発支援の効果を高める上でも引き続き支援を行うことが重要。
(2) ODA大綱原則との関係
 総じて望ましい方向。「良い統治」の進展を注視し、援助国の立場から助言、支援する。
(3) 我が国援助の目指すべき方
(イ) 経済情勢の悪化に伴い82年以降は無償資金協力、技術協力による支援。
(ロ) 債務削減措置が適用されていることから新規円借款の供与は当面困難。
(ハ) 経済的格差是正に留意しつつ、より一層質に重点を置く援助を目指す。
(4) 重点分野・課題別援助方針
(イ) 農業・零細企業の振興のための支援
(ロ) 基礎教育支援
(ハ) 人口・エイズ及び子供の健康問題への対応
(ニ) 都市部等における基礎的インフラ整備等による生活環境改善
(ホ) 森林保全
(5) 援助実施上の留意点
 01援助受入体制の強化、02NGO、他の援助国・機関との連携、03債務管理能力の強化、04域内協力、05南南協力推進

4.援助実績
(1) 我が国の実績(支出純額、単位:百万ドル)

有償 無償 技協 合計 供与先順位
99年(暦年) -6 60 21 75 20位
99年(暦年)までの累計 100 876 331 1,307 20位
(2) DAC諸国からの実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
二国間総額 1位 2位 3位
769 英国 159 ドイツ 110 日本 83
(3) 国際機関のODA実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
国際機関総額 1位 2位 3位
228 IDA 85 AfDF 56 EC 43

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