1.政治・経済・社会情勢
- 民主政権が定着しており、経済状況も中南米地域では高水準の経済成長を達成している。ペルー政府は貧困対策に重点的に取り組んできているものの、依然として貧困層の割合が高い。治安状況は改善されてきている。
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一人当たりGNP(98年)と
GDP成長率(90-98年平均)
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実質GDP成長率
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2,440ドル、3.5%
(世銀資料)
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92年▲1.6%、93年 6.4%、94年 13.1%、95年 7.3%、
96年 2.5%、97年 6.9%、98年 0.3%(IMF資料)
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2.開発上の課題
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貧困対策が最優先課題である。また、持続的な成長のためには、民営化の推進による投資水準の維持、輸出競争力の強化、累積債務問題の改善、更にはテロ対策が必要である。
3.我が国の対ペルー援助政策
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(1) 対ペルー援助の意義
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ペルーとは、同国における日系移住者の長期的な努力もあり、緊密かつ友好的な関係を
有している。ペルーが、民主化と市場経済化、更には麻薬やテロ問題の原因となる貧困対策を意欲的に進め、かつ、APECに参加し太平洋国家としての関係強化に努め、一部その成果を収めつつあることを考えれば、援助を通じた同国の取組への支援は、同国との関係の維持・強化に貢献するとともに、中南米地域における我が国外交の幅を広げ、かつ、鉱物資源等の安定的な確保等にも資する。
- (2) ODA大綱原則との関係
- 総じて望ましい方向となっている。
- (3) 我が国援助の目指すべき方向
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(イ) これまでの経済協力の重点分野を今後も重視。
( 貧困対策、 社会セクター支援、 経済基盤整備、 環境保全)
(ロ) 資金協力について、段階的に無償から有償資金協力を中心とした援助へ移行。
(ハ) 有償資金協力については、経済・財政・債務状況等を踏まえ、援助の質の向上を図りつつ、効果的・効率的に実施。
(ニ) 技術協力関係者の派遣について、安全を確保しつつ、協力を徐々に拡大。
- (4) 重点分野・課題別援助方針
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(イ) 貧困対策
(ロ) 社会セクター支援
(ハ) 経済基盤整備
(ニ) 環境保全
- (5) 援助実施上の留意点
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ペルー側援助受入機関の強化、 他ドナー・国際機関との連携、我が国の経済協力スキーム間の連携、 人の派遣を伴う経済協力への安全対策。
4.援助実績
- (1) 我が国の実績(支出純額、単位:百万ドル)
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有償 |
無償 |
技協 |
合計 |
供与先順位 |
99年(暦年) |
164 |
7 |
18 |
189 |
7位 |
99年(暦年)までの累計 |
890 |
360 |
299 |
1,548 |
15位 |
- (2) DAC諸国からの実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
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二国間総額 |
1位 |
2位 |
3位 |
382 |
米国 121 |
日本 80 |
ドイツ 50 |
- (3) 国際機関のODA実績(支出純額、98年(暦年)、単位:百万ドル)
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国際機関総額 |
1位 |
2位 |
3位 |
120 |
EC 95 |
IDB 5 |
WFP 5 |
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