(1) 1968年、豪州、ニュー・ジーランド、英国の三国を施政権者とする国連信託統治下より独立した。人口(約1.6万人)、面積(21.1km2)ともに域内で最も小規模な国家である。97年2月政情安定化を目指した総選挙により、クロドゥマール議員が大統領に選出されたが、98年7月にはドウィヨゴ元大統領が大統領に返り咲いた。99年4月には同大統領に対する不信任案が可決され、ハリス議員が大統領に選出されたが、2000年5月の大統領選ではドウィヨゴが三たび大統領に返り咲いた。こうした内政の不安定さにより財政再建策の実施が停滞し、また、償還期限切れのナウル国債の返済が滞る等、財政再建への道は困難を極めている。
(2) 外交面では、独立以来豪州と緊密な関係を維持しており、また英連邦の加盟国で、地域協力機関(SPF、PC)にも加盟している。また、99年9月に国連に加盟した。
(3) 経済面は、燐鉱石輸出に完全に依存しているが、燐鉱石は今世紀末に枯渇する見込みであるため、その後の対策はナウル経済における最大の課題である。現在、海運、航空業、海外におけるホテル経営等に投資し、更にフィリピン、インドとの間に合弁燐酸肥料プラント建設の取極を結ぶ等、多角的資金運用を通じて枯渇後に備えているが、現在のところ必ずしも芳しい成果をあげていない。
(4) 我が国との関係では、二国間漁業協定が94年7月に発効している。
97年10月の日・SPF首脳会議(東京開催)、同年12月の気候変動枠組条約第三回締約国会議(COP3、京都開催)には、クロドゥマール大統領が出席し、地球温暖化問題についての島嶼国の立場を訴えた。また、98年8月、両国間の対話を促進するため、我が国は長谷川前駐豪大使を団長とする政策対話ミッションをナウルに派遣した。