[29]ベリーズ

1.概  説

(1) 長年にわたる英国とグァテマラとの争いの後、1981年に独立を達成した。98年8月の総選挙で成立したムサ政権は、鈍化した経済成長の改善、急増した中米難民(人口の14%に達する)への対応等を課題としている。
(2) 外交面では、国連総会決議に基づき独立したこともあり、国連中心の外交を展開している。英連邦の一員、及びカリブ共同体の加盟国として、英国及びカリブ海諸国とは緊密な関係を有している。領有権を主張していたグァテマラも、91年にはベリーズを承認し、両国間の外交関係が樹立されたが、近年、グァテマラがベリーズ領土の半分以上の領有権を再主張し、自国軍を派遣するなど、国境問題を巡る対立が生じている。
(3) エスキベル前政権は、プライス元政権の放漫財政の後始末のために財政再建を最優先課題とし、公務員給与の凍結、公務員の削減、税制改革などの緊縮財政政策をとり、財政赤字が大きく減少したが、経済成長は近年減速し、97年は2.9%となった。最大の産業は農業であり、その主たる産物は砂糖である。しかし、近年の世界的な砂糖の消費低下や国際価格の下落により、柑橘類やバナナなど農産品の多様化を推進している。
(4) 我が国との関係は、93年に開始された日・カリブ協議等を通じ強化されつつあり、96年5月にベリーズ首相として初めてエスキベル首相が訪日した。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) ベリーズは独立後日が浅く、国の規模も小さいことから、援助の実績は少ない。
(2) 技術協力に関しては、行政、社会基盤、自然保護等の分野における研修員受入れ、機材供与による援助を行っている。95年度まで有償資金協力、無償資金協力の実績は全くなかったが、96年度より草の根無償資金協力が開始された。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
(参考)99年度実施草の根無償資金協力案件
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