[25]バハマ

1.概  説

(1) 1973年に英国から独立し、高い所得水準を有する約700の島からなる人口27万人の小規模島嶼国である。97年3月の総選挙で自由国民運動党が圧勝し、第二次イングラム政権が発足した。同政権は重要課題として保健、教育・研修の向上、犯罪防止、失業対策、貧困撲滅、住宅の改善を掲げ、また経済面では財政赤字削減、税負担の均衡化に向けた税制改革、金融部門の振興、国際競争力強化、離島開発等を提唱している。
(2) 外交面では、経済的に関係の深い米国及び旧宗主国である英国との関係を基軸として、近隣諸国との協調を図っている。また、現政権は、政策目標の1つとして外交関係の多角化を挙げており、外交使節の派遣拡大を積極的に進めている。
(3) 経済面では、亜熱帯性気候と恵まれた自然条件を生かした観光業に依存しており、GDP寄与率は44%(97年)である。また、法人税、所得税、不動産税、相続税等を免除するいわゆるタックスヘイブン政策を取っているため、多数の銀行・企業が事務所を設置している。
 90年代前半に減少傾向であった財政赤字が、後半に入って再び増加(97年度40.8百万ドル、98年度46.7百万ドル)していることから、政府は民営化を初めとする自由市場経済化に向けた経済政策を取っている。深刻な財政赤字を抱える同国は、支出削減、税制の合理化に加え、基幹産業の更なる振興を通じて、2001年までに財政赤字の解消を目指しているが、税収を輸入関税に大きく依存しており、米州自由貿易圏(NAFTA)等地域経済統合やWTO等のグローバル化の進展に向けた対応が必要となっている。
 90~92年は景気が低迷したが、観光の伸びを中心として製造業、建設業も成長し93年から成長率がプラスに転じている。
(4) 75年に両国外交関係が樹立されて以来、両国関係は93年に開始された日・カリブ協議等を通じ強化されつつある。貿易面では82年以降、自動車、船舶及び一般機械を中心に日本の輸出超過となっている。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) バハマは観光収入により所得水準が高く資金協力は困難であるため、援助実績はほとんどない。96年よりDACの援助受取国・地域リストのパート01(ODA受取り開発途上国・地域)からパート02(移行経済国及びより進んだ途上国・地域)へ移行したことに伴い、技術協力に限って実施してきたODAによる協力を逓減させ、98年度をもって終了した。
(2) 技術協力として、85年度以来公共事業、通信・放送、商業貿易等の分野において年間1~2名の研修員の受入れを行った。
(3) 99年9月のハリケーン災害に対して緊急援助物資(950万円相当)を供与した。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
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