[21]トリニダッド・トバゴ

1.概  説

(1) 95年11月の総選挙では過半数を制する党がなく、統一国民会議(UNC)と国家再建連合党(NAR)の連立政権が樹立され、統一国民会議パンディー党首が首相(初のインド系首相)に就任した。97年のロビンソン大統領就任とそれに伴う補欠選挙に関連し野党、人民国家運動党(PNM)から2議員が離党し、同連立政権に加わり、基盤が強化された。
(2) 外交面では、米州機構(OAS)、英連邦、カリブ共同体諸国との協調を重視し、比較的穏健な非同盟路線をとっている。特に、OPEC(石油輸出国機構)非加盟の産油国として、経済水準の高さを背景にカリブ共同市場を積極的に推進し、域内において指導的地位を占めている。
(3) 経済面では、鉱業(石油、天然ガス)、工業(石油精製、石油化学)を主要産業としている。93年以降、エネルギー部門の拡大とともに、構造調整政策の効果が現れ始め、成長はプラスに転じ比較的安定的である。99年は、3月以降の石油価格の高騰に牽引され、実質GDP成長率は、6.9%と6年連続のプラス成長を記録した。
(4) 我が国との貿易は、これまで我が国の恒常的に大幅な輸出超過となっていたが、93年には輸入超過に転じた。両国関係は、93年に開始された日・カリブ協議等を通じ強化されている。93年にモトレー蔵相、94年にセイス計画・開発相が訪日した。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) カリブ地域で指導的地位を占めているトリニダッド・トバゴの、所得水準が比較的高いことを踏まえつつ、技術協力を中心として援助を実施している。
(2) 行政、商業貿易、工業分野の研修員受入れ、農業、水産分野の専門家派遣等の技術協力を行っているほか、96年よりカリブ諸国をも協力の対象とするプロジェクト方式技術協力をカリブ漁業開発訓練所(CFTDI)に対して開始した。また、2000年2月及び6月には環境分野のプロジェクト形成調査を実施した。92年度には初めて文化無償協力を実施した。99年度には草の根無償資金協力を導入した。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)99年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)99年度実施草の根無償資金協力案件
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