[15]セント・ヴィンセント

1.概  説

(1) 1979年に英国の自治領から独立した直後の総選挙で、労働党(ULP)のケイド政権が成立した。84年以来、ミッチェル首相が率いる新民主党(NDP)が政権を担当している。
 外交面では、米国及び英国との関係を重視しており、また、カリブ共同体諸国との連携を推進している。
(2) 経済面では、バナナの輸出と観光が主要産業である。自然災害、国際価格の変動に大きく影響を受けてきたが、概して安定した成長を維持している。しかし、経済成長を支えている要因は公共投資及び外国からの直接投資であり、政府は経済安定化を図るために国内貯蓄の増加を奨励している。99年は、主に観光業、オフショア・ビジネスの伸びにより、実質GDP成長率は4.5%となった。
(3) 我が国とは80年に外交関係を樹立している。ミッチェル首相は親日家といわれており、93年より開始された日・カリブ協議等を通じ我が国との関係は緊密化しつつある。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) セント・ヴィンセントは独立してから日が浅く人口規模も小さいが、我が国は技術協力、水産無償協力等を中心とした援助を行っている。
(2) 技術協力では、水産分野における専門家派遣、農業、工業分野等の研修員受入れを行っている。
 無償資金協力では、87、88年度に、東カリブ諸国に対する初の水産無償協力としてキングスタウンに魚市場を建設したほか、水産施設建設計画等の水産無償案件を実施している。また、91年度には初めての文化無償協力、98年度には草の根無償資金協力を実施した。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
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