[13]ジャマイカ

1.概  説

(1) 1992年にマンレイ首相が健康問題を理由に引退し、パターソン副首相が首相に就任し、93年3月及び97年12月の総選挙で与党が圧勝し、三期連続で政権を担っている。
(2) 外交面では、非同盟グループの一員としての立場を基軸とし、米国、欧州諸国及びカリブ諸国との関係強化に努めている。また、中南米、アジア諸国との関係強化にも努めている。
(3) 経済面では、従来よりボーキサイトなどの鉱物資源、砂糖・バナナといった農産物の輸出に依存している。ボーキサイト、アルミナは輸出額の約5割を占めるが、近年、観光業がこれらを上回る外貨獲得となっている。また、アパレル・繊維製品等の輸出の躍進が見られたが、NAFTAの影響でメキシコに北米市場を奪われ、多くの工場が閉鎖を余儀なくされた。
 政府の緊縮予算、高金利政策の結果、95年には25.5%だったインフレ率は99年には6.8%に減少した。一方、20%以上の高金利を維持しているため投資が抑制され経済成長率は96年以来マイナス成長となっており、99年度の実質GDP成長率は0.4%であった。失業率も15.5%(98年)と高く、恒常的貿易不均衡、対外債務の支払い等の問題を抱えるが、財政赤字の対GDP比は減少傾向にあり(99年度は4.5%)、2001年度以降の黒字への転換を目指している。
(4) 近年、我が国との関係は官民ともに緊密化しつつある。92年には駐日ジャマイカ大使館が開設され、95年には我が国からジャマイカに常駐の大使が派遣された。また、93年以来同国を含むカリブ共同体との政策対話(日・カリブ協議)が行われている。要人往来は、97年5月には、日本の皇族としては初めて秋篠宮・同妃両殿下が御訪問され、ジャマイカより91年にマンレイ首相、98年10月にパターソン首相が訪日している。また、我が国からの観光客は、99年には約8千4百人となっている
 我が国との貿易は、我が国はブルーマウンテンコーヒーで知られるジャマイカのコーヒー輸出量の8割以上を輸入しているが、自動車及び機械類を中心とする我が国の大幅な輸出超過が続いている。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

(1) ジャマイカは、カリブ地域の中心国であることや、我が国との関係も緊密化してきていることを踏まえつつ、有償資金協力及び技術協力を主とした援助を実施している。
(2) 有償資金協力については、81年度に21億円の商品借款を供与したのを皮切りに、農業、基礎インフラ分野などに対する円借款を供与しているほか、債務繰延べを行っている。近年では、96年度より、「キングストン首都圏上水道整備計画」に対する協力を実施中である。
 無償資金協力については、文化無償及び草の根無償を中心として実施している。
 技術協力については、保健・医療、行政、工業等の分野において研修員受入れを中心とした協力を行うとともに、97年度より初のプロジェクト方式技術協力である「職業訓練教育プロジェクト」が開始され、99年度末までに、このプロジェクトで訓練を受けた41名の専門家が任務についている。98年度には南部地域におけるプライマリー・ヘルスケア促進を図る「南部地域保健強化プロジェクト」が開始され、4名の専門家が派遣された。また、89年より青年海外協力隊の派遣を行っており、2000年8月現在31名の隊員が活躍している。また、2000年2月及び6月には、環境分野に関するプロジェクト形成調査団を派遣した。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)99年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)99年度実施草の根無償資金協力案件
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