(1) 内政面では、首長家がイスラム教のスンニー派であるのに対し国民の7割をシーア派が占めていること、若年層の就職難の深刻化等の状況がある。これらの要因を背景とした94年末の騒擾事件の断続的発生を受け、96年9月には、政府は諮問評議会の権限及び議員数の拡大を決定し、民意を反映した施策を通じ失業問題に取り組んでいる。また、37年間の在位後99年3月に急逝したイーサ首長に代わり即位したハマド新首長は、人権委員会の活発化や自治体選挙の実施等の方針を打ち出し、更なる民主化へ取り組む姿勢を示している。
(2) 外交面では、GCC(湾岸協力理事会)諸国との友好関係の維持を軸としつつ、特に安全保障については、米国、英国等との緊密な関係の維持に努めている。
(3) 経済面では、石油及び天然ガスがGDPの約6割、輸出の約3分の2を占めているが、近年、産業構造の多角化を目指し、石油精製、アルミ精練等の工業化を推進し、諸外国からの投資受入れ促進に努め、また、金融・商業面での活動を活発化させ、整備されたインフラを基に湾岸地域における金融、情報、交通等のセンターを指向している。
(4) 我が国からは大手商社、銀行、証券会社等の企業(2000年3月末現在16社)が、中近東の拠点としてバハレーンに事務所を設置している。貿易関係については、我が国は同国から石油、アルミ製品等を輸入し(98年輸入額2億4,797万ドル)、同国に機械、電気製品等を輸出している(同輸出額4億4,041万ドル)。94年11月には皇太子・同妃両殿下が同国を訪問した。