(1) 70年のカブース国王の即位以来、原油収入を背景として経済社会開発を進め、民生の向上に努めている。
外交面では、現国王即位後、積極的に諸外国との間に国交を開いて友好関係の促進を図り、GCC(湾岸協力理事会)諸国との協力を軸に、先進諸国との関係強化にも努めている。更に、中東和平問題についても、湾岸諸国中初めて中東和平多国間協議の1つである水資源作業部会をホストし、「中東淡水化協力センター」を誘致する等積極的に貢献しており、イスラエルとも通商関係を有している。
(2) 経済面では、インフラ整備、産業の多角化、農漁業及び中小企業の振興に努め、96年から開始された第5次5カ年計画においては、財政均衡、民間部門の育成等を目標としている。依然として石油依存の経済構造にあるものの、将来の主要外貨収入源として天然ガスに期待が寄せられ、また、製造業の拡充をはじめとする非石油産業の発展を目指している。
(3) 我が国は、オマーンから原油等を輸入し(99年輸入額11億1,928億円)、同国に対し自動車、鉄鋼等を輸出しており(同輸出額762億円)、我が国は同国にとって最大の貿易相手国である。我が国にとって、同国は第6位の原油供給国であり(99年シェア6.4%)、ホルムズ海峡を経由せずに輸入できるメリットがある。90年10月には海部総理(当時)、94年11月には皇太子・同妃両殿下が同国を訪問し、97年2月にはファハド副首相が来日した。