(1) ツチ族主導の現政権は、ツチ族及び穏健派フツ族の人々を大量虐殺した旧ルワンダ軍及びフツ族過激派民兵を94年7月に武力で制圧し政権を獲得した。現政権は、出身部族を示すIDカードの廃止、フツ族出身大統領及び閣僚の任命、地方選挙(村落レベル)の実施、女性の遺産相続を可能とする遺産相続制度の導入、国民和解委員会、人権委員会及び憲法委員会の設置等国民和解、民主化のための努力を行っている。他方で、2000年4月にカガメ副大統領(ツチ族)が大統領に就任する等、ツチ族主導体制が強化されているように見受けられる。周辺国に大量に流出していた難民・国内被災民の再定住、社会再統合の問題は現在においても深刻な状況にある。
(2) 外交面では、コンゴー民主共和国をめぐる紛争に関して、ルワンダは反政府勢力を支援し、また直接コンゴー民主共和国領内に派兵を行っていることから、多くのアフリカ諸国との関係が悪化している。国連安保理においても、頻繁に取り上げられており、ルワンダ軍及びウガンダ軍のコンゴー民主共和国領土からの撤退を求める決議が採択されている。
(3) 経済面では、農・牧畜業が基盤であり、GDPの約50%が農林業によって占められている。主要農産物はコーヒー(輸出収入の80%を占める)、茶等であり、特にコーヒーは国際市況の動向に大きく左右されている。
94年の内戦以降、治安悪化等もあり、経済は壊滅的打撃を受けたが、その後の国際社会よりの大規模な支援もあり、ここ数年マクロ経済指標にも改善が見られ、安定した経済成長を続けている(97年の経済成長率は10.9%)。
(4) 我が国は、ルワンダから茶等を輸入し(99年輸入額75万ドル)、同国に自動車、鉄鋼板等を輸出している(同輸出額606万ドル)。96年6月にはビジムング大統領が、97年4月にカガメ副大統領、98年10月にルウィジェマ首相が来日した。