(1) 90年3月に南アフリカ共和国から独立し、94年12月には、独立後初の国民議会選挙が実施された結果、ヌヨマ大統領の率いるSWAPO(南西アフリカ人民機構)が政権を維持した。同政権は、人口の約6割が居住する北部地域を中心に積極的な国造りを進め、独立後5年間のうちに、教育・軍事等における国民和解を極めて平和裡な形で達成した。また、99年12月に実施された独立後2度目の国民議会選挙ではSWAPOが得票を伸ばし、政権を維持し、ヌヨマ大統領も同時に実施された大統領選において高い支持率のもと再選されている。
(2) 外交面では、非同盟中立を標榜しており、アフリカ統一機構(OAU)、南部アフリカ開発共同体(SADC)に加盟しているほか、特に経済面において先進諸国との関係強化を図っている。なお、同国は2000年末まで国連安全保障理事会非常任理事国をつとめ、2000年8月から1年間SADCの議長国を努めている。
(3) 産業の中心は、ウラン、ダイヤモンド等の鉱業及び農林水産業(GDPの約25%、輸出の約85%)である。農業は輸出向けの牧畜が中心であり、穀物の自給率は低く国内需要の4割に満たないため、南アへの食糧依存度は高い。また、ナミビア沖は豊かな漁場を形成しており、水産業の振興は、雇用創出、輸出振興に大きく貢献している。低インフレ率、プラス成長及び経常収支の黒字を維持しており、経済は安定している。自由主義経済を基調とした経済体制作りを目指しているが、人口の5%に過ぎない富裕な白人層と大部分の低所得層との間の二重構造と、黒人を中心とした多数の失業者の雇用問題との課題が存在する。
(4) 我が国は、ナミビアからエビ、カニ等を輸入し(99年輸入額1,275万ドル)、同国に自動車・部品、電気機器等を輸出している(同輸出額600万ドル)。96年10月にはヌヨマ大統領が来日した。