[26]ソマリア

1.概  説

(1) 69年以来政権の座にあったバレ政権が反政府勢力の攻勢により91年1月に崩壊し、反政府勢力の一つであるUSC(統一ソマリア会議)が暫定政権樹立を宣言した。しかし、同政権も実質的な機能を果たせないまま、ソマリアは無政府状態に陥った。
 これに対し、人道援助のための安全な環境の確保を目的として、93年4月に第2次国連ソマリア活動(UNOSOM02)が活動を開始したのを受け(統一タスクフォース軍(UNITA)の業務を継承し、95年3月撤退終了)、エティオピア等の近隣諸国による和平仲介努力が活発化、97年12月にはカイロにおいて、ソマリア暫定政府の枠組み設定、及び国民和解会議の開催を内容とする宣言を採択する等、和平を巡る様々な動きがなされており、最近では、ジプティのイニシアティブによる和平への取り組みがなされている。但し、対立する全グループによる合意は確保されていない。
(2) ソマリアの産業は牧畜・農業が中心であるが、外貨資源につながる資源には恵まれていない。更に、91年1月以降の内戦により国内インフラが破壊されており、現在、経済基盤は壊滅的な打撃を受けている。また、旱魃と内戦により中南部を中心に大規模な飢餓が発生し、全人口の約3分の1に相当する150万人以上が飢餓に直面しているとされている。
(3) 我が国は、同国に自動車等を輸出しているが(99年輸出額40万ドル)、内戦状態のため貿易は極めて限られている。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は、ソマリアにおける内戦発生後は、同国における二国間ベースの援助は事実上困難となったが、飢餓に直面する同国内の被災民及び周辺国に流出した難民に対する援助として、92年以降WFP経由の食糧援助及びUNHCRへの拠出等、総額約5,760万ドル(難民に対する実績はアフリカ地域総論部分参照)に及ぶ人道援助を実施している。
 ソマリアの中長期的な復興のための援助等二国間ベースの協力については、国内的にも国際的にも認知された正統性のある政府の樹立後、ソマリア側の援助受入れ体制の整備、治安状況の回復等の状況を見極めつつ、検討していく必要がある。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
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