(1) 79年以来政権の座にあったサス・ンゲソ大統領は、91年1月に複数政党制を導入し、92年6~7月に議会選挙、8月に大統領選挙を実施した結果、リスバ氏が大統領に当選した。その後、与野党間の対立や国軍兵士の待遇改善問題等政情が不安定な状態が続き、97年6月、同年7月実施予定の大統領選挙を巡ってリスバ大統領派とサス・ンゲソ前大統領派との間で紛争が発生した。同年10月、アンゴラ軍等の支援を受け、前大統領派が軍事的勝利を収め、サス・ンゲソ前大統領が大統領に就任した。98年1月に「統一と国民和解に関するフォーラム」が開催され、一連の選挙までの暫定期間を3年とすること等が決定されたものの、同年末頃より前政権の民兵と政府軍との間で再び武力衝突が発生するなど、情勢は一時不安定化した。しかし、99年11月、12月に政府軍と民兵との間で敵対行為停止合意が署名される等、情勢は落ち着きを取り戻しつつある。
(2) 外交面では、従来の旧社会主義諸国との関係重視から、経済関係を中心にフランスをはじめとする先進諸国との関係強化へ移行してきている。
(3) 主要産業は農林業、畜産業及び鉱業(石油)である。労働人口の約40%は農業に従事しているが、GDPの約40%、輸出収入の約90%は石油に依存している。97年6月に発生した内戦と98年末頃からの武力衝突のため、同国経済は厳しい状況に直面している。
(4) 我が国は、コンゴー共和国から木材等を輸入し(99年輸入額約374万ドル)、同国に自動車、鉄鋼板等を輸出している(同輸出額約230万ドル)。