(1) 91年5月に複数政党制を導入し、94年7月に実施された初の大統領選挙、国民議会選挙では、ヴィエイラ大統領が再選され、与党ギニア・ビサオ・カーボ・ヴェルデ独立党(PAIGC)が議席の過半数を占めた。98年6月に一部軍人を中心とする反乱が発生し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の仲介により停戦合意が成立したが、99年5月に戦闘が再開。その結果、同大統領は追放され、サーニャ国民議会議長が憲法規定に基づき暫定大統領に就任。2000年1月の大統領選挙の結果、クンバ・ヤラ候補が当選し、同年2月に新内閣が発足した。
(2) 外交面では、経済再建重視の観点から旧宗主国ポルトガルをはじめとする欧米諸国との関係を重視している。96年5月に西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)への加盟が正式承認される等、近隣の仏語圏諸国との経済的関係も強化された。また、90年から国交を結んでいた台湾と98年4月断交、中国と国交を回復した。
(3) 経済面では、農業部門が、労働人口の85%を占め、GDPの54.7%を占めている。同国は1987年以降、市場経済を導入し民営化の促進を図り全体的な赤字削減を目指したが、90年代初に経済状態が悪化。93年よりIMFの指導の下、緊縮財政を実施した結果、改善も見られたが、95年に再び悪化し、更に世銀・IMFの支援の下で経済建て直しに向け政策が実施中であった98年6月から99年5月まで続いた長期の内乱によるインフラの破壊で同国経済は大きなダメージを被っている(98年のGDP成長率はマイナス30%)。同国では、戦乱により疲弊した経済を立て直す必要に迫られている。
(4) 我が国は、ギニア・ビサオからイカ・タコ等を輸入し(99年輸入額0.9万ドル)、同国に自動車、鉄鋼等を輸出している(同輸出額126万ドル)。