[2]ウガンダ

1.概  説

(1) 86年1月に政権に就いたムセヴェニ大統領は、部族間対立の融和、人権尊重を唱え、ほぼ全土の治安回復に成功した。95年10月新憲法の制定、96年5月の大統領選挙、同年6月の国会議員選挙が実施された。2000年6月には複数政党制導入の是非につき民意を問う国民投票が実施された結果、複数政党制の導入を退け、現行の政治制度である国民抵抗運動の継続を選択した。
(2) 外交面では、善隣友好、非同盟主義をとり、アフリカ統一機構(OAU)及び英連邦諸国との連帯を図るとともに、先進諸国との関係強化にも積極的である。また、東アフリカ協力(EAC)、東・南部アフリカ経済共同体(COMESA)といった地域協力推進にも積極的な取組みを見せ、99年11月には、ケニア、タンザニアとの間で東アフリカ共同体(EAC)設立条約が締結され、同三ヶ国間の一層の関係緊密化が期待されている。95年4月以来断絶していたスーダンとの関係も最近になって改善の兆しが見られるほか、ウガンダが兵力の派遣を行っているコンゴー民主共和国(旧ザイール)における紛争については、99年8月のルサカ合意を踏まえた和平に向けて調停努力が行われている。
(3) 経済面では、農業部門がGDPの約50%、輸出の殆ど及び労働人口の約90%を占めている。ムセヴェニ大統領就任後、87年に世銀・IMFの支援を得て「復興開発計画」を策定して構造調整を推進し、90年代に入り、今日まで年率約7%の成長を達成している。99年は過去2年間エルニーニョ現象等のため落ち込んだ農業生産が回復し、7.8%の経済成長が見込まれているほか、インフレ率は5.3%と低下しておりマクロ経済は安定している。
(4) 我が国は、ウガンダからコーヒー等を輸入し(99年輸入額1,085万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額4,029万ドル)。ウガンダ側からは94年9月に、ムセヴェニ大統領が来日し、2000年6月の小渕前総理の葬儀にはカテガヤ第一副首相兼外相が参列した。我が国からは99年8月に鈴木官房副長官が訪問した。また、在京大使館が94年9月に再開され、97年3月には我が国の在ウガンダ大使館が開設された。

(参考1)主要経済指標等
(参考2)主要社会開発指標

2.我が国の政府開発援助の実績とあり方

 我が国は従来、食糧増産援助、教育、電力、道路整備分野に対する無償資金協力及び人的資源、行政分野等における研修員受入、農業分野等における開発調査を中心とする技術協力を実施してきている。また、同国の構造調整努力を支援すべく、93年度に62億円の円借款を供与したほか、99年度までに合計54億円のノン・プロジェクト無償援助を実施した。
 97年7月の経済協力政策協議及び99年8月のプロジェクト確認調査における先方政府との協議等を踏まえ、今後の援助の重点分野を基礎インフラ、人的資源開発、基礎生活支援及び農業開発とすることで合意している。ただしウガンダは、すでに債務削減措置の適用を受けている上、重債務貧困国(HIPC)としてケルン・サミットでの合意に基づいて成立した「拡大HIPCイニシアティブ」による債務削減措置が適用されることになっており、新規の円借款による協力は困難であることから、今後は無償資金協力、技術協力を中心とした協力を検討していくこととする。
 今後の援助については、2001年に予定されている大統領選挙、国民議会選挙に対するウガンダ政府の公正な対応や、コンゴー(民)に対する派兵戦力の撤退状況、また包括的な貧困削減に向けた「貧困撲滅行動計画」(PEAP)の策定・実施等の持続的開発努力等を注視しつつ、検討していく方針である。

3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
国際機関、ODA NET
(3) 年度別・形態別実績
(参考1)99年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件
(参考2)99年度実施草の根無償資金協力案件
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