第3章 事後評価結果の分析


2.事後評価実施案件の整理

 本章では、98年度に外務省、JICA、JBIC(当時はOECF)が実施したODA事後評価の対象を、(1)評価形態別、(2)地域別、(3)協力形態別の3つの観点から分類します。

(1)外務省事後評価の評価形態別分類
 外務省の98年度の事後評価件数は、54ヶ国、評価件数110件、プロジェクト数は136件でした。評価形態別に分類すると、以下の通りになります。(括弧内は対象国)。
国数  評価件数
・ 国別評価 2ヶ国 2件 (エル・サルヴァドル、モンゴル)
・ 援助実施体制評価 2ヶ国 1件 (セネガル、マリ)
・ 特定テーマ評価 1ヶ国 1件 (カンボディア)
・ 有識者による評価 11ヶ国 10件 (対象国は巻末の参考資料参照)
・ 国際機関の評価 1ヶ国 1件 (タイ)
・ 在外公館による評価 43ヶ国 70件 (対象国は巻末の参考資料参照)
・ 被援助国関係者による評価 12ヶ国 14件 (対象国は巻末の参考資料参照)
・ 現地コンサルタントによる評価 5ヶ国 9件 (対象国は巻末の参考資料参照)
・ NGOとの共同評価 1ヶ国 1件 (カンボディア)
・ シンクタンクによる評価 1ヶ国 1件 (フィリピン)
注) 評価形態別国数の和は、重複があるので上記総数(54ヶ国)と同数にはならない。


外務省評価形態別対象プロジェクト数
  98年度 97年度 96年度 95年度
国別評価 12 18 39 10
援助実施体制評価 5 7 14 2
特定テーマ評価 5 8 1 5
合同評価 0 3 1 2
有識者による評価 20 19 25 53
国際専門家による評価 0 1 2 3
国際機関の評価 1
在外公館による評価 70 82 70 85
被援助国関係者による評価 14 11 15 19
現地コンサルタントによる評価 9 3
NGOとの共同評価 2 3
シンクタンクによる評価 1
合計 136 154 167 178
注1)  98年度は、在外公館による評価と被援助国関係者による評価でプロジェクトが2件重複、現地コンサルタントによる評価と国別評価で1件重複しているため136件。
注2)  97年度は在外公館による評価と合同評価でプロジェクトが1件重複しているため154件。
注3)  95年度は援助実施体制評価と有識者評価でプロジェクトが1案件重複しているため178件。
(2)JICA事後評価の評価形態別分類
 JICAの98年度の事後評価件数は、25ヶ国、評価件数29件、プロジェクト数90件でした。評価形態別分類は以下の通りです。
国数  評価件数
・ 国別事業評価 1ヶ国 1件 (バングラデシュ)
・ 特定テーマ評価 3ヶ国 3件 (スリ・ランカ、ケニア、ザンビア
・ 有識者評価 9ヶ国 6件 (シンガポール、マレイシア、エジプト、タンザニア、ケニア、セネガル、パラグアイ、フィジー、パプア・ニューギニア)
・ 合同評価 1ヶ国 1件 (タイ)
・ 在外事務所による評価 14ヶ国 18件 (対象国は巻末の参考資料参照)


JICA評価形態別評価対象プロジェクト数
  98年度 97年度 96年度 95年度
国別事業評価 21 25 4 14
特定テーマ評価 10 31 22 11
有識者評価 25 16 6 4
合同評価 1 8 4 6
在外事務所による評価 33 34 28 19
合計 90 114 64 54
(3)JBIC事後評価の評価形態別分類
 JBICの98年度の事後評価件数は、15カ国、評価件数33件、プロジェクト数43件で、97年度以前の数年間を含め最も多い数となっています。また、97年度から新たに第三者評価を導入しました。
国数  評価件数
・ 詳細評価 10ヶ国 11件 (大韓民国、フィリピン、タイ、インド、スリ・ランカ、ジョルダン、エジプト、ボツワナ、モーリシャス、ブラジル)
・ 机上評価・事務所評価 7ヶ国 17件 (大韓民国、中国、インドネシア、マレイシア、フィリピン、タイ、エジプト)
・ 第三者評価 5ヶ国 6件 (中国、フィリピン、タイ、パキスタン、ガーナ)


JICA評価形態別評価対象プロジェクト数
  98年度 97年度 96年度 95年度
詳細評価 18 18 6 8
机上評価・事務所評価 20 11 10 18
第三者評価 6 2
合計 43 30 16 26
注1)  98年度は詳細評価と第三者評価で一件重複するため、合計評価件数は33件、合計プロジェクト数は43件。
注2)  97年度は詳細評価と机上評価で1件重複するため、合計プロジェクト数は30件。
(4)地域別評価対象分類
 98年度の外務省、JICA、JBICによる事後評価対象の地域別シェアは、アジアが全体の約52%を占め、中近東が約7%、アフリカが約15%、中南米が約15%、大洋州が約11%となっています。98年度はアジア地域における評価対象件数の割合が相対的に低下し、アフリカ地域、大洋州の割合が高めでした。
外務省、JICA、JBIC評価対象
プロジェクト合計(地域別シェア)
事後評価対象の地域別シェア
年度 98 97 96 95
アジア 139 160 137 144
中近東 20 15 27 9
アフリカ 41 46 37 39
中南米 40 52 30 55
大洋州 29 25 16 11
269 298 247 258
(5)協力形態別評価対象分類
 外務省の協力形態別対象プロジェクト数をみると、無償資金協力のプロジェクト数が、毎年最も多く、98年度においても、約71%が無償資金協力、約18%が有償資金協力、約10%が技術協力でした。
 一方、98年度におけるJICAの評価対象は無償資金協力が約43%、技術協力が約57%であり、JBICの評価は全て有償資金協力が対象となっています。

協力形態別事後評価対象プロジェクト件数
  外務省 JICA JBIC
年度 98 97 96 95 98 97 96 95 98 97 96 95
有償資金協力 23 26 30 25 43 30 16 26
無償資金協力 96 103 113 101 39 58 24 25
技術協力 14 24 24 51 51 56 40 29
その他 5 1 1
  136 154 167 178 90 114 64 54 43 30 16 26
注1)  外務省の98年度は、ふたつの形態にまたがる案件2件(無償・有償1件、無償・プロ技1件)をそれぞれの形態にカウントした。
注2)  外務省の98年度のその他とは、NGO案件4件、拠出金案件(タイ・アジア工科大学)1件である。

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