アフリカ開発銀行(AfDB:African Development Bank)及び
アフリカ開発基金(AfDF:African Development Fund)の概要と実績
- 設立及び我が国の協力開始の時期・経緯・目的
(1) 開始時期
AfDBは1964年に設立され、我が国は83年に加盟した。
AfDFは1973年に設立された。我が国はAfDF設立当初からの加盟国である。(2) 経緯・目的
AfDBは、アフリカ地域の途上国の経済的・社会的開発を促進することを目的として設立された(本部:コートジボアール・アビジャン)。99年末現在で77か国が加盟している。アフリカ域内から53か国、また域外のメンバー国として24か国が加盟している。
AfDFは、IBRD(世界銀行)に対するIDA(第2世銀)に相当しており、AfDBが準商業ベースで貸付けを行っているのに対し、AfDFはそうした条件での借入が困難な国に対して、より緩和された条件で融資を行っている。99年末現在、26か国(域外国25か国及び南アフリカ共和国)及びAfDBが加盟している。
- 事業の仕組み
(1) 概要
主な機能は、(1)開発途上加盟国に対する資金の貸付、(2)開発プロジェクト・開発プログラムの準備・執行のための技術支援及び助言業務等である。
AfDBが比較的所得の高い開発途上加盟国に準商業ベースで貸付を行っているのに対して、AfDFはそうした条件では借入が困難な低所得国に対してより緩和された条件で融資を行っている。99年末現在、AfDBの資本金は230億ドル、AfDFの資本金は144億ドルとなっている。(2) 審査・決定プロセス
借入国と協議の上、プロジェクト・プログラムを策定し、理事会において審査・決定がなされる。(3) 決定後の案件実施の仕組み
借入国が案件を実施し、AfDB(AfDF)はモニタリングを行っている。
- 最近の活動内容
(1) 概要
AfDBからの融資は準コマーシャル・ベースで実施されるのに対して、AfDFからの融資は長期で無利子(手数料のみ)のより緩和された条件で実施されている。
98年の融資総額は承認ベースで、AfDBが9.3億ドル、AfDFが8.1億ドル、99年はAfDBが10.7億ドル、AfDFが6.3億ドルである。
両機関は深刻な債務危機に瀕している国に対する構造調整融資や貧困削減、また運輸・通信といった経済インフラや衛生・教育などの社会インフラにも積極的に取り組んでいる。(2) 主要な事業
部門別(99年)に見ると、多目的(構造調整・貧困削減等)部門が4.1億ドル(総額比24.2%)、公共部門が1.3億ドル(総額比7.9%)、社会部門が1.5億ドル(総額比9.1%)、農業部門が4.6億ドル(総額比27.1%)、運輸部門が2.9億ドル(総額比16.9%)などとなっている。
- 我が国との関係
(1) 意志決定機構における我が国の位置づけ
最高意思決定機関は、各加盟国の総務により構成される総務会であり、我が国は大蔵大臣が総務に任命されている。また、融資承認等の日常業務の意思決定は18人の理事(域内12名、域外6名)からなる理事会で行われており、我が国からも常時、理事が選任されている。(2) 事務局における邦人職員
専門職556名のうち日本人2名(99年末現在)(3) 我が国の財政負担
AfDBの資本金230億ドル相当額のうち、我が国の出資額は10.1億ドル相当額(シェア4.4%)であり、域外国中第2位。また、AfDFの資本金144億ドル相当額のうち、我が国の拠出額は21億ドル相当額(シェア14.3%)であり、域外国中第1位である。
(注) 原公表金額単位はUA(99年1UA=1.37095US$) (4) ジャパンファンドの有無
98年度拠出なし
99年度拠出なし
なお、これまでに約12.6億円の拠出をしており、99年度における支援案件は以下の4件である。
使途 (1) プロジェクトの案件発掘や事業化のための事前調査などプロジェクトの案件形成に対する支援 (2) 開発途上国政府の制度の企画・立案等に対する政策助言の支援 (3) 開発途上国政府職員等を対象とした研修プログラムの実施など人材育成活動の支援、我が国の人的貢献を支援
国 名 案 件 名 承認額
(千ドル)コートジボアール 貧困削減準備調査 272 複数国 奨学金 382 複数国 アフリカ諸国幹部セミナー 240 複数国 民間インフラプロジェクト 254
- より詳細な情報
(1) ホームページ
ホームページのURL:http://www.afdb.org
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