政府開発援助はなぜ必要か
海外に資源と市場を依存する我が国にとり、国際社会の平和と繁栄は不可欠であるが、国際社会が相互依存関係を深化させる中、政府開発援助はこうした世界全体の平和と繁栄に貢献するものである。
また、平和国家としての我が国にとり、世界の平和を維持し、国際社会の繁栄を確保するため、その国力に相応しい役割を果たすことは重要な使命である。
更に、半世紀前の終戦直後の窮状において、我が国は海外からの支援により戦後復興を果たし、今日の繁栄の基礎を築いたことを忘れてはならない(黒部第4ダム(1958ba5281)、東名・名神高速道路(1960ba5290)等は世銀からの借款で実施)。
我が国は、このような認識に立ち、以下の基本理念の下に政府開発援助を実施している。
- 多くの開発途上国においては、今なお多数の人々が飢餓と貧困に苦しんでおり、国際社会は人道的見地からこれを看過することは出来ない。
- 環境、人口、食料等地球規模の問題は、先進国と開発途上地域が共同で取り組むべき全人類的な課題であり、我が国もこうした取り組みを主導すべき先進国の一員としての役割を担うことが必要である。
- 開発途上国への支援や地球規模問題への貢献は、我が国と他の諸国、特に開発途上国との友好関係を増進し、国際社会における我が国の評価を高め、我が国の立場及び我が国国民に対する幅広い理解と支持・協力の確保に繋がることが期待される。
- 貿易・投資を通ずる世界経済の相互作用が深まる中、資源・エネルギー、食料等の供給を海外、特に開発途上国に依存する我が国にとって、経済協力を通じた途上国の経済開発の促進は、我が国の経済的利益にも資する。
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