青年国際交流事業の概要と実績


  1. 事業の開始の時期・経緯・目的

    (1) 国際青年育成交流事業は、現皇太子の御成婚を記念して平成6年度から実施
    (2) 日中青年親善交流事業は、日中平和友好条約締結を記念して昭和54年度から実施
    (3) 日韓青年親善交流事業は、日韓共同声明と国交正常化20周年記念を契機にして昭和62年度から実施
    (4) 世界青年の船事業は、明治百年記念事業の一つである「青年の船」を改組し、昭和63年度から実施
    (5) 東南アジア青年の船事業は、日本及び東南アジア各国首脳との共同声明を契機として昭和49年度から実施
    (6) アジア太平洋青年招へい事業は、戦後50年を機に平和友好交流計画の一環として平成7年度から実施
    (7) 国際青年の村は、国際青年年記念事業として昭和60年度から実施

     なお、以上の7項目については、いずれも日本と諸外国の青年の交流により、相互の理解と友好を増進し、併せて日本青年の国際視野を広げ、国際協力の精神を養い、次代を担うにふさわしい国際性を備えた、社会の分野で指導性を発揮できる青年を育成することを目的として実施。

  2. 事業の仕組み

    1) 概要

    (1) 国際青年育成交流事業は、日本青年(約300名)を世界各地に派遣するとともに、諸外国の青年(約120名)を我が国に招へいする総務庁の主催事業である。
    (2) 日本・中国青年親善交流事業は、日本青年(約30名)を中国へ派遣するとともに、中国青年(約30名)を我が国に招へいする両国政府の共同事業である。
    (3) 日本・韓国青年親善交流事業は、日本青年(約40名)を韓国へ派遣するとともに、韓国青年(約40名)を我が国に招へいする両国政府の共同事業である。
    (4) 世界青年の船事業は、日本青年(約120名)と外国青年(約150名)が一隻の船で共同生活を行うとともに、4つの寄港地を訪問する総務庁の主催事業である。
    (5) 東南アジア青年の船事業は、日本青年(約45名)と外国青年(約300名)が一隻の船で共同生活を行うとともに、東南アジア諸国を訪問する日本と東南アジア諸国の共同事業である。
    (6) アジア太平洋青年招へい事業は、アジア太平洋地域の青年(約115名)を我が国に招へいする総務庁の主催事業である。
    (7) 国際青年の村はアの国際青年育成交流事業で我が国に招へいした外国青年とその他の外国青年(計約150名)が日本青年(約150名)とともに約1週間の共同生活を行う総務庁、開催都道府県及び青少年団体の三者主催による事業である。

    2) 審査・決定プロセス
     いずれの事業も過去の交流実績、治安、衛生環境等を考慮の上、外務省を通じて相手国の参加依頼を行い、在外公館等の協力の下に相手国の審査・決定を行う。

    3) 決定後の案件実施の仕組み
     事業の実施に当たり、各事業実施要綱を総務庁長官が決定し、この要綱に基づき実施要領を決定したのち、各事業の対象国へ外務省を通じて依頼する。
     また、事業に参加する日本青年においては、広く全国から募集し、選考試験を経て決定する。

  3. 最近の活動内容

    1) 概要
     平成9年度総務庁青年国際交流事業の交流実績は国数47か国・11地域であった。また、平成10年度の場合は国数42か国・10地域であった。

    2) 地域別実績
     平成9年度では、北東アジア3か国、東南アジア10か国、オセアニア8か国、南西アジア2か国、中近東5か国、アフリカ6か国、欧州・NIS7か国、北米1か国、中米2か国、南米3か国の計47か国との交流を実施。
     一方、平成10年度について、北東・東南アジアは前年同様であるが、オセアニア10か国、中近東3か国、アフリカ2か国、欧州・NIS5か国、北米2か国、中米2か国、南米6か国の計42か国との交流を実施。

    3) 具体的な活動内容
     1998年度の具体的な活動内容は以下のとおり。

    (1) 国際青年育成交流事業
     日本青年74名を7か国(97年度は81名、8か国)へ派遣するとともに、外国青年119名を13か国(97年度は132名、15か国)から招へいし、福祉ボランティア活動、伝統文化体験、ホームステイなど拠点滞在型の密度の濃い国際交流活動を実施した。
    (2) 日本・中国親善交流事業
     日本青年29名と中国青年40名(97年度は日本19名と中国29名)を相互に派遣・招へいし、互いに両国の各地域を訪問するとともに、各種施設の見学や地元青年との交流、ホームステイなどを実施した。
    (3) 日本・韓国親善交流事業
     日本青年38名と韓国青年40名(97年度は日本39名と韓国40名)を相互に派遣・招へいし、互いに両国の各地域を訪問するとともに、各種施設の見学や地元青年との交流、ホームステイなどを実施した。
    (4) 世界青年の船事業
     日本青年116名と12か国から招へいした外国青年155名(97年度は日本116名と12か国178名)が乗船し、オセアニア、中米、南米方面(97年度は、南西アジア、アフリカ方面)を訪問した。船内では共同生活をしながら、世界的視野にたって共通の課題の研究・討論、各種の講義、スポーツなどの交流を行うとともに、訪問国では現地青年との交流や各種施設の見学等を実施した。
    (5) 東南アジア青年の船事業
     日本青年33名と東南アジア10か国から招へいした外国青年294名(97年度は、日本青年46名と東南アジア10か国から招へいした外国青年311名)が乗船し、東南アジア諸国を訪問した。船内では共同生活をしながら、共通の課題の研究・討論、各国事情の紹介などを行うとともに、訪問国では地元青年との交流や課題別視察、ホームステイ等を実施した。
    (6) アジア太平洋青年招へい事業
     アジア太平洋地域の青年113名を23か国(97年度は108名、19か国)から招へいし、課題別視察やホームステイを行うとともに、日本青年との討論等を行うアジア太平洋フォーラムを実施した。
    (7) 国際青年の村
     日本青年143名と14か国の外国青年131名(97年度は日本134名、16か国の外国青年144名)が新潟県において1週間の共同生活をする中で、意見交換、各国文化紹介などを行うとともに、開催地において参加者以外の地元住民との交流も行うなど、拠点滞在型の利点を生かした国際交流活動を実施した。

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